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掲載日:2022年1月14日 11時05分
「がん」と診断され、治療が必要となった際、主治医からの治療方針の提案のほかに、皆さまはどこから情報を手に入れますか?
かつては、図書館や書店などに駆け込んでいた方も、今はインターネット環境があれば、どこにいても、自分の欲しい情報が手に入るようになりました。
しかし、時に療養生活を惑わせるような、ネットならではの落とし穴があることはご存じでしょうか?
ネット検索の落とし穴
「がん」と診断されたとき、どのような病状なのか、主治医から説明を受けても、頭の中が真っ白になってしまうことは、多くの方が体験されています。
自分の病気や、提案された治療がどのようなものなのか、スマホがあれば、数秒もしないうちに知りたい情報の一覧が出てきます。
数年前までは、検索キーワードに「○○がん(診断されたがん)」と検索すると、標準治療よりも先に、自費診療や高額な民間療法の広告が上位に並んでいました。
医師をはじめとする、有識者の働きかけの結果、現在では、国立がん研究センターのがん情報サービス(https://ganjoho.jp)をはじめ、療養生活に役立つ情報が上位にヒットするようになっています。
しかし、これだけで終わらないのがインターネットのからくりだと感じる場面があります。
あるサイトでは、ほかの人はこちらも検索という表示が出てきたり、機種によっては予測変換がでるものもあったり、同じ部位のがんを調べた人が興味関心を持って調べたキーワードが出てきます。
また、昨今では、対面式の患者会やがんサロンが中止や延期、オンラインが主流となったところも多いために、同じ病気を経験した方と知り合うきっかけが極端に減った、あるいは全くないと話される方も増えています。
そのため、「○○がん」のほかにも、「ブログ」等、複数のキーワードで検索し、同じような病気と向き合っている方の体験を探し、情報を得たり、実際にオンライン上でつながりを持つきっかけとなった方も、多くいらっしゃるようです。
ただし、注意が必要です。
インターネットの検索履歴などから、利用者の関心や好みにあったインターネット広告が表示されるような傾向があり、良いタイミングで欲しい情報が見つかったと感じるような、悪質な広告が出てくる場合も往々にしてあるのです。
インターネットを検索する時間にも注意しましょう。
告知を受けた直後や、治療の影響で一時的に気分の変動が眠起きる可能性のある薬剤を利用している場合、疲労がたまっている就寝間際など、普段よりも判断力が低下しているときは、要注意です。
普段なら絶対に引っかからない広告をクリックしてしまい、被害にあわれる可能性もゼロではありません。
本当に自分が欲しい情報なのか、どこか怪しい日本語がないか、注意深くなってみてください。
「○○がんがこれを飲んで消えた」
「今だけたったの○○円。効果を実感できなかったら費用全額返却します」
「独自開発の○○」
「お申し込み締め切りまであと1時間、これを見逃したらもう二度とチャンスはありません」
中には、悪質ではない広告も含まれている場合もありますが、上記の謳い文句などで、購入を急かすような商法で、個人情報やクレジットカード情報を盗まれることもあります。
「ダメージを受けている時こそ、弱みに付け込まれるの。身近な情報も、出会った人にも注意が必要なのよ」
これは、私の尊敬する看護師の上司からあるときに教わった言葉です。
一見、警戒心が強すぎると感じるかもしれませんが……
かつて出会った患者さんの中には、身近な人が、特定の民間療法を勧めてきたり、いつの間にか自分の個人情報が漏れ、見知らぬ会社から高額な健康食品を送りつけられた方もいます。
思い当たる節は、ブログを世界中誰もが見られる設定で利用していたこと、細かな心境をつづっていたこと、メールアドレスやパスワードを使いまわしていたということでした。
いつもと状況が異なるときのネット検索にはご用心を。
そして、ネット経由でクレジットカード番号や個人情報を求められた際は、ふと冷静になる時間を持って、その場で決断することは控える時間を持ちましょう。
闘病ブログなど、個人の経験談を閲覧するときの注意点
コロナ禍となってからは、がん経験者(がんサバイバー)の闘病ブログ・SNS・YouTubeの情報発信が、以前に比べて盛んになり、その活動が注目されています。
日記代わりに利用する方、同じ悩みを抱える方のために、自身の体験談や療養していく中で工夫して見つけた、治療中の悩み事に対するアドバイスなど、発信方法は多種多様です。
時に、がん経験者同士、がん経験者と医療従事者の対談もあり、時代は進んできていると感じます。
患者同士の交流する場が限られている現在、闘病中の体験談は、貴重な情報源ですが、同じ部位のがんでも、がんの進行度や性質、治療方法など、個人によって多少なりとも差がありますので、ご自身の参考程度に閲覧、情報交換されるのが良いでしょう。
(特定の個人や企業を否定しているわけではございません)
看護師免許を取得後、大学病院・がん診療連携拠点病院などで勤務。
がん化学療法看護認定看護師。
日本対がん協会で活動ののち、2022年1月~はフリーの看護師として、様々な現場で医療に携わりつつ、地域のがんサロンのボランティア活動などにも携わる。
2019年10月~2020年12月まで「忘れえぬ患者さんたち」を連載。
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