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 がん患者と家族が笑顔になれる病棟へ−。筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)が、緩和ケア病棟の家族控室の改修計画を進めている。新型コロナウイルス禍で家族の面会中止が長期化する中、患者と家族の交流の大切さが再認識された。院内の環境改善に協力してきた筑波大の学生らが設計とデザインを担当し、木のぬくもりが感じられる空間に一新する。(林容史)

緩和ケア病棟の家族控室

 同病院は一九九九年、県内三番目の「県地域がんセンター」を開設し、翌年、末期がん患者らの身体的・精神的苦痛を和らげる緩和ケア病棟を県内に先駆けて設置した。現在は年間約三百人の患者が入院している。

 病室はすべて個室で二十床。家族控室は二室設けられているが、備品はテーブルとソファのみ。患者の世話に疲れた家族らが病棟内でくつろげるスペースだが、無機質で圧迫感がある。

 今回の改修を主導するのは、同病院で二〇一八年から正面玄関のロビーやラウンジのデザインを手掛けてきたNPO法人「チア・アート」(つくば市)と筑波大の学生チーム「パプリカ」。三年前から病院側と構想を練ってきた。

 新たな家族控室は、内装にヒノキ材を使用し、マット敷きの小上がりを新設。既設の天窓には、つくば市の花ホシザキユキノシタが浮き上がるパネルを取り付ける。年末に着工し、来年三月の完成を目指している。

CFでの協力を呼び掛ける(左から)筑前谷香澄さん、岩田祐佳梨さん、矢吹律子さん=いずれもつくば市の筑波メディカルセンター病院で

 コロナ患者の受け入れなどで病院の経営が厳しいため、クラウドファンディング(CF)で改修資金を募っている。チア・アート理事長の岩田祐佳梨さん(34)は「地域の病院として地域に支えてもらいたい」と協力を呼びかける。

 家族の面会禁止は昨年四月から続いている。コロナ禍前は、がん患者と家族が触れ合う姿が当たり前の風景だった。緩和医療科の矢吹律子医長(44)は「患者の生きるエネルギーは家族の存在なんだと痛感した」と強調する。

 看護部の筑前谷香澄師長(44)は「コロナ禍の今、なぜ家族控室なのかと思われるかもしれないが、アフターコロナの時代はくる。患者が大切な家族と一緒に過ごす環境の整備は必要だ」と改修の意義を訴える。

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