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2022年度の厚生労働省予算において、▼新型コロナウイルス感染症対策▼働き方改革▼標準的電子カルテの導入▼オンライン資格確認等システム導入―などに関する幅広い病院経営支援を行ってほしい―。

日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の4団体で構成される「四病院団体協議会」は5月26日、厚生労働省に宛てて、こういった内容を盛り込んだ来年度(2022年度)予算の算要求に関する要望書を提出したことが、日本医療法人協会の加納繁照会長から明らかにされました(日本病院会のサイトはこちら)。

5月26日の四病院団体協議会・総合部会後に記者会見に臨んだ加納繁照・日本医療法人協会会長

要望の内容は大きく(1)新型コロナウイルス感染症対策(2)消費税(3)働き方改革(4)医療従事者の能力向上(5)介護施設・介護従事者(6)地域医療介護総合確保基金(7)医療機関のICT化(8)国際化(9)障害保健福祉(10)災害対策(11)調査研究(12)研究開発(13)環境への配慮—の13項目に及んでいます。

まず(1)のコロナ感染症対策としては▼感染防護用品、衛生用品等の確保(N95マスク・防護服・ガウン・手袋・消毒液などの増産を国内企業に促す)▼医療従事者への感染リスク対応(診療報酬上の評価や補償など)▼医療機関の経営破綻防止▼感染症対策基金を創設し、各種対策経費に充てる▼都道府県に医療機関財政救済基金を設置し、経営補填に充てる―ことを求めています。

医療機関経営に関しては、福祉医療機構(WAM)が無担保での特別融資などを行っていますが、加納・医法協会長は5月26日の記者会見(四病協・総合部会後に定例開催)で「当然のことだが、WAMの融資は、病院にとっては『借金』となる。病院経営を純粋に支援する基金の創設をお願いしたい」とコメントしています(関連記事はこちらこちら)。

また(2)では、病院における消費税負担を解消するための検討を継続し、その検討のための「実態調査、調査研究」に対する補助も求めています。

保険診療については「消費税非課税」となっており、保険者や患者に消費税負担は発生しません。しかし、医療機関が購入する物品等については消費税がかかるために、当該消費税の最終負担者は「医療機関」となります。消費税率の引き上げにより、この負担も増大し、とりわけ物品等購入の多い急性期の大規模病院では、その負担は莫大なものとなります。もちろん、診療報酬での手当がなされていますが、「個々の病院に過不足のない負担」を行うことは困難であり、病院団体では「税制による補填」(たとえば消費税を「課税」(ゼロ%課税など)し、還付を可能とする仕組みの創設など)を従前から求めており、今後もその検討を継続することを求めているものです。

また(3)の働き方改革に関しては、▼地域医療確保・維持のために「医師増員」などが必要となり、その人件費相当への補助を行う▼医師からメディカル・スタッフ(看護師や薬剤師など)へのタスク・シフトを進めるための人材確保・育成に財政的補助を行う▼医療人材(介護・介助職員など)の処遇改善コストへの補助▼ナースステーション、処置室、カンファレンスルーム、看護師等宿舎、院内保育施設等の整備補助▼仕事と家庭の両立支援推進(看護職員等再就業支援)▼医療従事者の育児休業に係る財政補助—などを要望しました。

2024年度から「勤務医への新たな時間外労働規制」が適用されるため、とりわけ急性期病院では「働き方改革の推進」が急務となっています。仕組みをつくるだけでは現場は動きにくいため、四病協では「地域医療の確保と働き方改革との両立」に向けた支援を強く求めています。

一方(4)は「医師の総合的診療技能」向上に向けた支援を求めるものです。例えば日本病院会では「病院総合医」の養成に力を入れており、こうした取り組みへの公的な補助を求めています。

さらに(7)では、▼電子カルテ標準化等に係る初期導入経費の補助▼ICT・ロボット等導入への財政的補助▼オンライン資格確認等システムにおける補助拡充の延長▼地域医療充実のためのオンライン(遠隔)診療補助—を求めました。

電子カルテについては、ベンダー(いわば電子カルテの開発メーカー)がそれぞれ独自に開発し、独自の進化を遂げてしまっており、異なるベンダーのシステム間ではデータのやり取りが非常に困難な状況です。このため、「個々の施設内で利活用する際には、極めて有用である」ものの、「施設間連携、地域連携をする際、異なるベンダーのシステムが混在すると、データ連携が極めて難しい」という問題が生じています。

また、A社の電子カルテを導入した病院が、数年経過後に「使い勝手が良くない。良い評判を聞くB社の電子カルテに買い替えよう」と考えたとしても、これまでの患者情報(A社の電子カルテデータ)をB社の電子カルテと連結することができず、これが「買い替えを阻害している」「ベンダーによる顧客(医療機関)の囲い込みにつながっている」との指摘もあります。

そう遠くない将来「標準仕様」が固められると見込まれ、その際には「システムの入れ替え」などが必要になることから、導入の補助を病院団体が要望しているものです。

四病協では、▼病院給食業務に係る作業内容の見直し▼院内で取り扱う食種の集約▼新調理システム(セントラルキッチン方式、急速冷却調理・加工機使用など)―などを進めると同時に、「地域の実情」を踏まえた給食システムの抜本改革が必要とし、調査研究費を支援することを求めています(関連記事はこちらこちらこちら)。

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