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続いては特集です。現代では2人に1人が患うと言われている「がん」。長く続くコロナ禍では、治療によって免疫力が落ちているがん患者やその家族は社会からさらに孤立しやすい現状があります。その中で、親身になって寄り添う“ぴあナース”という存在がいることを皆さんはご存じでしょうか?その第一人者である看護師の奮闘を取材しました。
上原弘美さん「「私は37歳の時に乳がんと告知されたんですね、その立場になって初めて患者はこういう思いをして過ごしているだなと知って」
豊見城市・友愛医療センターで行われている定例会議。院内の医師や薬剤師、栄養士に至るまで様々な専門家が集う緩和ケアチームが患者の治療サポートについて話し合っています。
上原弘美さん「イライラして体調が悪くなると攻撃的になってくるところがあって、でもカルテを見ると本人もどうしていいかわからない」
患者の内面的な部分について話すのが上原弘美さん(54)看護師として30年以上の経験を持ち現在は院内のがん治療センターで勤務しています。献身的に看護にあたる上原さん自身もがんと闘ってきた経験を持つ、いわゆる“がんサバイバー”です
上原弘美さん「私の場合はなかなか人につらいとか怖いとか言えなかった。周りからはいつも元気だねって病気したけど元気に前向きに頑張っているねというふうな印象だったと思うんですね。実は家に帰ったら1人で泣いていたとか結構苦しくて思いを吐き出せないということはあったかなと」
闘病生活の中で口にできない不安や苦しさがあることを知った上原さん。復帰後には、がんを経験した看護師による患者支援の会「ぴあナース」を立ち上げ看護師の交流や学びの場を作ることや情報を発信する活動に尽力しています。
上原弘美さん「ピアというのが仲間という意味で私はがんの経験者でピア(仲間)というところとナースを掛け合わせてピアナースとしています」
また、がんを経験したことで看護師として患者への接し方も変わったといいます。
患者さん「きのうから実はグループのサークル活動があるので、きのうから参加して」上原弘美さん「グラウンドゴルフ?」患者さん「体調としては上々じゃないかなと思っております」上原弘美さん「良かった良かった、一時期熱が出たりとかあったんですけどね」
上原弘美さん「私が意識しているのは病気だけではなくて、その人の人となりをまず知ることからと思っているんですね。もちろん今の状況、病気のことを中心にいろいろ聞いたりはするんですけど、そこばかりに焦点を当てられるとつらい時もあるんですよ」
患者さん「話を聞いて安心して治療を受けられる。できるだけ接して話もしたいんです」
そんな上原さんが今懸念しているのが、がん患者が新型コロナ感染症への恐れから社会との接触を避ける生活を余儀なくされていることです。
上原弘美さん「がんになってしまうと孤独になるというか社会から取り残された感覚をどうしても持ってしまう。今はコロナ禍で人にも会えない行きたいところにいけない、さらに孤独が強くなっているところがあるので」
少しでも患者の孤独感を和らげるため上原さんはあるアプリの活用を推進してきました。
上原弘美さん「これは「MINPO」というアプリをインストールしてもらって、最初はこのアプリに登録するんですね、そうするとセルフウォークリレー沖縄うらそえというのが出てきます」
先月1カ月間にわたって行われたセルフウォークリレー。これまでは「リレーフォーライフ」という活動の一環で患者やその家族、支援する人々が実際に集まりリレー形式で走り続けるというイベントが年に一度行われてきましたがこの2年はコロナ禍で開催できていません。
その代わりとして、このアプリを使ってそれぞれの場所で歩こうというもので対象期間中に参加者が歩いた歩数に応じた金額が企業や団体から対がん協会に寄附される仕組みになっています。
去年、乳がんの告知を受けた新垣志乃さん。このアプリが、外出する1つのきっかけになっています。
新垣志乃さん「去年12月から抗がん剤(治療を)スタートして今年の5月までその後手術で切除をした後に放射線治療、今は薬を飲むだけで」「治療で免疫力が落ちているところもあってなるべく人と接触しないという生活を続けていたので」
アプリでは他の参加者がどのくらい歩いているかを確認することができ、それがコロナ禍で孤立しがちながん患者の“つながり”にもなっていました。
新垣志乃さん「チャリティとしてみんなで目標に向かっていっている感じがちょっとした一体感というか、モチベーションが上がりますね」
このセルフウォークリレーと合わせ、上原さんは今週末には(今月11日12日)ラジオとオンラインを活用し、がん患者や支える人々がリモートで集うイベントも計画しています。
上原弘美さん「同じ経験者に会った時に初めて私も今つらいけど頑張ったらこの人みたいに元気になるんだなと思ったらすごく安心したということはすごく覚えています」「確かにがんは大変な病気ではありますけどあまり恐れないでほしいというところと」「正しくがんを知ってほしいというところですよね」
コロナ禍でも決して患者を孤立させないために、上原さんは“ぴあナース”としてこれからも心身ともに患者に寄り添い続けます。
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