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サイアス株式会社
サイアス、約9.5 億円の AMED 委託事業に採択
iPS 細胞由来キラーT細胞療法の世界に先駆けた治験実施を目指す
サイアス株式会社(京都市左京区、代表取締役 等泰道・五ノ坪良輔、以下「サイアス」)は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の「令和4年度『医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)』(第7回)のスタートアップ型(ViCLE)」(以下、本採択事業)に採択されました。
【本採択事業の概要】
サイアスは、本採択事業において、分担機関である国立大学法人 京都大学iPS細胞研究所(京都市左京区、所長 高橋淳、以下「CiRA」)、国立大学法人 京都大学医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター(京都市左京区、センター長 武藤学、以下「Ki-CONNECT」)、国立研究開発法人 国立がん研究センター先端医療開発センター(柏市、センター長 土井俊彦、以下「NCC-EPOC」)との共同研究を進め、GPC3 発現手術不能再発進行性の肝細胞がんを有する患者を対象に、GPC3 応答性iPS 細胞由来細胞傷害性 T 細胞「TYS-0001H2」を投与する細胞療法を第Ⅰ相医師主導治験として実施し、その安全性、忍容性及び有効性を評価することを目指します。
- 研究開発課題名:
「GPC3 発現固形がんを対象としたヒト同種 iPS 細胞由来細胞傷害性 T 細胞療法の開発」 - 研究開発体制
- 代表機関:サイアス株式会社
- 分担機関:
- 国立大学法人 京都大学iPS 細胞研究所(CiRA)
- 国立大学法人 京都大学医学部附属病院
次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT) - 国立研究開発法人 国立がん研究センター先端医療開発センター(NCC-EPOC)
- 研究開発期間と受託費総額:最長 5 年間、約 9.5 億円
- 参考情報(AMED採択課題公表サイト):https://www.amed.go.jp/koubo/17/01/1701C_00002.html
【TYS-0001H2について】
研究開発の背景
次世代のがん免疫治療としてCAR-T(キメラ抗原受容体導入T細胞)、TCR-T(T細胞受容体導入T細胞)といった改変T細胞療法が注目されていますが、製造には患者のT細胞が原材料として必要なため、患者の容態によっては充分な質・量を確保するのが困難です。そのため、代替手段として同種iPS細胞由来のT細胞が世界的に注目されています。サイアスは、iPS細胞からT細胞へと分化誘導する技術とその豊富な実績を有し、CiRA金子新教授やNCC-EPOC免疫療法開発分野 中面哲也分野長とともに、がん抗原グリピカン-3(GPC3)を発現する肝細胞がんを標的疾患とした細胞治療製品(TYS-0001H2)の研究開発を進めてきました。
ターゲット:GPC3
中面哲也分野長が同定したGPC3は細胞の増殖と形態形成に関与するタンパク質であり、肝細胞がん、肝芽腫、卵巣明細胞腺がん、悪性黒色腫などで高発現しています。一方、成人の正常組織では発現せず、胎盤、胎児肝臓、胎児肺に発現が限定されるため、がん免疫細胞療法の有望な標的とされています。
「TYS-0001H2」の特徴
TYS-0001H2は、GPC3に特異的に応答するTCRを遺伝子導入した同種iPS細胞から分化誘導して得られたCD8a CD8b両陽性の細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)を構成体とする以下の特徴を持った再生医療等製品であり、既存療法抵抗性の後期ステージ肝細胞がん患者に対して有効な治療手段となることが期待されます。
- 効率よく抗原(GPC3)を認識する
- ナイーブ/メモリー型の表現系で強力な細胞傷害性を持つ
- 多様な末梢血単核球に比してアロ反応(GvHD)を示さず、安全性が高い
- 既製細胞製品として、速やかに患者への投与が可能である
- 均一な細胞を大量に製造でき、安価により多くの患者に提供できる
【本採択事業の意義】
現時点で、iPS細胞由来キラーT細胞の固形がん患者への投与は行われたことがなく、本採択事業では、治験製品としてiPS細胞由来キラーT細胞の安全性を世界に先駆けて確認します。また、本件のヒトでの概念実証の確立により、日本発の技術で世界市場を先導し、次世代のiPS細胞由来製品の開発へと展開していく計画です。
サイアスは、将来的に大幅な製造コストの低減を通じて、固形がんを対象としたがん免疫細胞治療をより多くの患者に提供していくことを目指します。
【サイアスについて】
サイアスは、CiRA金子新教授の研究成果を元に、iPS細胞由来の免疫細胞(T細胞やNK細胞等)の臨床応用に向けた研究開発を進める京都大学発ベンチャーです。近年、免疫チェックポイント阻害薬やキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T)等のがん免疫療法が大きな効果をあげています。しかし末期患者の免疫細胞は疲弊状態にあるため拡大培養が困難であり、固形がんの治療においては安全かつ十分な奏効は未だ実現していません。サイアスの技術は、同種iPS細胞からT細胞やNK細胞等の各種免疫細胞へと分化させることで、その疲弊状態を解除し、腫瘍に対する高い攻撃力を回復した元気な免疫細胞を大量に、安価に得ることを可能にします。
サイアスでは、現在、遺伝子・細胞療法開発の本場であり、かつ巨大な資本市場、そして優秀なサイエンティストへのアクセスが可能な米国への進出を計画しています。「TYS-0001H2」に加え、開発が進行中のiPS細胞由来NK細胞製品、さらに次世代のiPS細胞由来免疫細胞製品など、研究開発を精力的に行い、グローバルのがん免疫細胞療法の発展に貢献してまいります。
【分担機関について】
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)
CiRAは、 2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥博士が開発したiPS細胞の創薬応用のさらなる拡大や再生医療応用の推進に向けて、2010年に設立されました。iPS細胞作製技術を用いて創薬、新しい治療法の開発、病気の原因の解明や再生医療への応用を実現するための研究を行っています。
京都大学医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT)
Ki-CONNECTは令和2年4月に早期臨床試験専用センターとして京都大学医学部附属病院に開設されました。Ki-CONNECT専属・専任の医師(早期医療開発科所属)、看護師、薬剤師、臨床検査技師を配置し、治験管理室や事務部と綿密に連携をとりながら開発早期の臨床試験を実施しています。より有効なくすりを望む患者さん、くすりを開発する製薬企業、そしてくすりの種を見つけ出す研究者を結びつける(CONNECT)ことで、先端的かつ独創的な臨床試験を行い、未来の医療の創造に貢献します。
国立がん研究センター先端医療開発センター(NCC–EPOC)
国立がん研究センターは、1962年に国立機関として創設され、がん研究・がん医療における国立の中核機関として、先端的な研究を牽引してきました。
2015年に設立された国立がん研究センター先端医療開発センターは、がん(Cancer)の治癒(Cure)及び克服(Conquer)(Conquer and Cure Cancer=“3C”)を目指し、がんの医薬品や医療機器の開発に向けたシーズ探索から前臨床、早期臨床試験までを一貫して支援・実施しています。併設する国立がん研究センター東病院とともに、横断的なネットワークを基盤としたTR研究開発の拠点として、先進的ながん治療薬・医療機器開発を推進し、実臨床への導出を多数実現しています。
【医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)について】
「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」は、産学官の連携を通じて革新的な医薬品・医療機器等の創出に向けた支援を行い、実用化の加速化を目指すAMEDの事業です。そのなかでもスタートアップ型企業の支援を目的とするものを「スタートアップ型(ViCLE)」といいます。
【お問い合わせ先】
サイアス株式会社
〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46-29
代表取締役 五ノ坪良輔
TEL:075-752-1555 FAX:075-752-1556
E-mail:info@thyas.co.jp
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