課題を調査して社会に発信
そして、三つ目の柱は自主調査事業です。約1万4000人が登録しているオンラインネットワークを生かし、がん当事者の生活課題などについて、アンケートやインタビューなどの手法で調査。学会の患者向けプログラムでの発表などを通して社会に発信しています。2020年~2021年には計3回、延べ3000人以上の協力を得て、新型コロナウイルス感染拡大によるがん患者への影響を実態調査し、治療の延期や通院控えなど多くの影響が出ていることを明らかにしました。
その際に女性がんサバイバー700人以上から寄せられた、「がん闘病する仲間へのメッセージ」を基に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、自宅で孤立しがちな「Stay at Home」の状況下で、支え合いを呼び掛けるポスターを作成しました。
また、がん患者・家族を始め、がんに関わるすべての人に送る日本最大級のがん医療フォーラム「ジャパンキャンサーフォーラム」にも毎年ブースを出展し、ピアリングの活動を発信しています。
支え合いの絆づくりを続ける
ピアリングはコロナ禍以前より、いつでもどこからでもつながり、励まし合いながら「がん」に向き合えるプラットフォームとして、オンラインをベースとした支え合いの絆づくりに取り組んできました。今後も三つの活動の軸を大切にしながら、がんに向き合う女性を支援する取り組みを続けていきます。
一般社団法人ピアリング
上田のぶこさんを代表者として2017年6月に設立された。乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの治療に向き合う女性がオンライン上でつながり、支え合えるコミュニケーションの場「Peer Ring ピアリング」を運営する。現在約1万4000人の女性がんサバイバーが登録・利用している。勉強会・交流会などの開催、がん患者の生活課題などについての調査・研究も行っている。
ホームページ https://site.peer-ring.com/
このコーナーでは、公益財団法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。