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[2023.04.01] 取材・文●「がんサポート」編集部
「がん対策推進企業アクション」の配信会場
2023年2月28日、令和4年度「がん対策推進企業アクション 統括セミナー」が、オンラインで開催された。
はじめに、がん対策推進企業アクション事務局長の山田浩章さんより本年度の活動報告が行われ、続いて本年度とくに優れたがん関連の企業活動をした企業の表彰式が行われた。
その後、厚生労働省健康局の中谷祐貴子さんが、「我が国におけるがん対策」をテーマに、がんの現状からがん対策の歩み、がん検診の現況と最近の動向、さらにがん患者の就労や就労支援について述べた。
次に、東京大学医学部医学系研究科総合放射線腫瘍講座特任助教南谷優成さんが、「推進パートナー企業・団体向けにアンケート調査結果」の報告を行った。
話の後半は「がん検診の目的」は、「早期診断、早期治療」ではなく、「そのがんによる死亡を防ぐ」ことで、そのメリットは、①そのがんによる死亡を防ぐ。②がん患者さんの生活の質が向上。③がん患者さんの医療費削減。④がんでない人が安心できる。デメリットとしては、①時間とお金がかかる。②検診の苦痛やダメージ。③検診による偽陽性。④過剰診断などを挙げた。
女性とがんについて話す中川さん
最後に、東京大学医学部医学系研究科総合放射線腫瘍学講座の中川恵一さんから、「女性とがん」について話があった。
それによると、55歳までは女性の罹患率が高く、とくに30~40代では、男性を大きく上回っている(図1)。
また、国立がん研究センターと国立成育医療研究センター(2016~2017年調べ)の調査では、20~39歳のがん患者の80%は女性で、25歳以降の女性がん患者の急激な増加は、子宮頸がんと乳がんの増加に起因している(図2)。
「30~40代にかけては、女性の社会進出の時期と重なっており、今後、企業での女性のがん対策が急務であり、働く世代の高齢男性と若い女性のがん罹患率の増加が示されており、『がん社会の到来』だ」と話した。
さらに厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より、がん患者さんの約3人の1人は、20~60代でがんに罹患。悪性新生物(がん)の治療のため、仕事をしながら通院している人は45万人で、2016年の同調査と比較して約8万人も増加している。また、働くがん患者の男女比は、男性19万人:女性26万人である。
次に中川さんは、子宮頸がんについて言及した。
日本で副反応のため長く中断していたHPVワクチン接種は、 昨年4月から他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行うことになり再開された。
それに伴いワクチン接種の機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」も同時に開始された。厚生労働省は、誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日の人と、過去にHPVワクチンを合計3回受けていない人を対象に、2025年3月までの3年間実施する。
最後に中川さんは、「定年延長と女性の社会進出を受け、今後は職域でのがん対策が重要になる。現在でも、がん検診受診者全体の約36%~68%が職域でがん検診を行なっているが、職域での積極的ながん検診については、実際には労使でお互いリスク(個人情報保護と人事評価の問題など)があると思っており、スタートするにあたっては、労使間で事前の協議が大切になってくる」と結んだ。
【参考資料】HPVワクチンキャッチアップ接種関連の参考資料
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