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2020年11月05日 PM12:00

国立がん研究センターは10月31日、約5万人の遺族(うち、がん患者の遺族は約2万6,000人)を対象に、患者が亡くなる前の療養生活や利用した医療の実態について全国調査を行い、その結果をまとめ、公表した。同調査は、厚生労働省の委託事業として同センターのがん対策情報センターが行ったものだ。


画像はリリースより

2017年の人口動態調査の死亡票情報から「がん」「心疾患」「脳血管疾患」「肺炎」「」で亡くなった患者の遺族を対象に、2019年1月~3月の期間に郵送によるアンケート調査を実施した。アンケート内容には、遺族からみた「亡くなる前1か月間の患者の療養生活の質」「亡くなった場所で受けた医療の質」「家族の介護負担や死別後の精神的な負担」などが含まれていた。最終的な有効回答数は2万1,309人(うち、がん患者の遺族1万2,900人)。アンケートの回答は、疾患別および死亡場所別に実際の死亡数の比率で調節した推定値を算出した。

「亡くなった場所で受けた医療に対し全般的に満足」61.2~71.1%

亡くなる前1か月間の患者の療養生活の質について、疾患別に「痛みが少なく過ごせた」割合は38.9~47.2%であり、逆に、痛みを感じていた割合は22.0~40.4%であることが推定された(がん40.4%)。また、痛みを含む「からだの苦痛が少なく過ごせた」割合は38.6~43.8%であり、身体的に何らかの苦痛を感じていた割合は、26.1~47.2%であることが推定された(がん47.2%)。また、「おだやかな気持ちで過ごせた」割合は41.1~48.7%であり、気持ちのつらさを感じていた割合は25.9~42.3%であることが推定された(がん42.3%)。

亡くなった場所の医療の質として、疾患別に「医療者はつらい症状にすみやかに対応していた」割合は68.2~81.9%であり、「患者の不安や心配を和らげるように医療従事者は努めていた」割合は67.7~81.9%であることが推定された。また、「亡くなった場所で受けた医療に対して全般的に満足している」割合は61.2~71.1%であることが推定された。

「患者と医師間で、患者が希望する最期の療養場所について話し合いがあった」14.5~36.5%

人生の最終段階における医療やケアに関する話し合いについて、疾患別に「患者と医師間で、患者が希望する最期の療養場所について話し合いがあった」割合は14.5~36.5%。また、「患者と医師間で、患者の心肺停止時に備え、蘇生処置の実施について話し合いがあった」割合は24.1~34.4%、「患者と家族間で、意思決定できなくなるときに備え、最期の療養場所や蘇生処置など、患者がどのような医療を受けたいか話し合いがあった」割合は、28.6~42.4%であることが推定された。

家族の介護について、疾患別に「介護をしたことで全体的に負担感が大きかった」割合は40.9~50.7%と推定された。また、死別後の遺族が「抑うつ症状」に悩まされている割合は11.7~19.4%であり、長引く「悲嘆」を感じている割合は18.4~30.1%であることが推定された。

がん患者は他の疾患よりも、痛みや気持ちのつらさを抱えている割合が高いと推定

調査を通じて、がん患者については、医療者は患者のつらい症状についてすみやかに対応していたという回答や、医療者は不安や心配を和らげるように努めていたという回答、亡くなった場所で受けた医療に対して満足しているという回答の割合が他の疾患よりも高いことが推定された。一方、がん患者では他の疾患よりも、痛みや気持ちのつらさを抱えている割合が高いことが推定された。

「人生の最終段階の医療を改善していくために、すべての医療従事者への緩和ケアの普及、現在の技術では改善が困難な苦痛を軽減するための治療技術の開発、患者や家族への緩和ケアに関する理解の促進などを、より一層進めることが必要だ。また、家族の介護負担や死別後も含めた精神的な負担があることが推定され、遺族ケアなど家族に対する支援体制の整備が必要であることが示された」と、研究グループは述べている。

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