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はじめに:
今回のプロジェクトでは、東北大学病院にて様々ながんの患者さんから提供いただいた血液や腫瘍を活用し、ゲノム解析やその他の網羅的な分子解析により、新しい治療法の開発を目指す臨床研究を行うための研究費用と、この研究プロジェクトで働く研究者と事務員の人件費、計3,000万円のご寄付を募ります。
日本を含む、多くの先進国の死因の1位は「がん」です(出典:厚生労働省 令和3年(2021)人口動態統計)。
がんは進行すると治療が難しく、最も進行したステージⅣ(転移や再発例)の場合は生存率が10〜30%と極端に低く(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)、早期診断法や抗がん薬などの新しい治療法の開発が必要です。
最近、個々のがんには遺伝子異常やその他の分子の変化の違いによる個性があり、薬剤の効果に個人差があることが明らかになってきています。しかも、その効果はがんの臓器別種類(肺がん、乳がん、大腸がん、膵がん、前立腺がんなど)に関わらず(つまり “ 臓器横断的 ” に)、ゲノム内の遺伝子異常や特定の分子異常により規定されることが明らかにされつつあります。
新たな研究成果をより精密な個別化医療につなげ、臨床応用に向かうためには、それらを診断して有効な抗がん薬を選択する「個別化医療」の開発と、その普及啓発が必要です。
進行がんの遺伝子変異やその他の分子変化は、早期発見のため、新しい治療法の開発とその個別最適化のため、いずれの研究においても基礎となる重要なデータになります。
「進行がんの治療成績向上」という、医学的および社会的課題に挑戦するために、皆さまのご寄付・応援をどうぞよろしくお願いいたします。
東北大学大学院医学系研究科・医学部 臨床腫瘍学分野 教授
東北大学病院 腫瘍内科長
石岡千加史
東北大学病院のバイオバンクで収集したがん患者の腫瘍組織、便および血液検体などを分析し、抗がん剤の効果増強や、副作用軽減をもたらす細菌及びその代謝物の発見を目指します。
現在、目標に向けて以下の研究が進められております。
・がん組織を用いたクリニカルシーケンスの開発及び新規診断法、新規治療標的の探索
・がん患者検体を用いた液性免疫因子の解析による新規バイオマーカー・新規治療標的の探索
・がん組織を用いた網羅的プロテオーム、メタボローム解析による新規診断法、新規治療標的の探索
・進行再発大腸がんのDNAメチル化状態に基づく二次治療における抗EGFR抗体薬感受性予測能を検証する後ろ向き観察研究
消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がんなど)、頭頸部がんや肉腫を中心を進めますが、臓器別がんの種類を特定せず、臓器横断的ながんに適応できるように研究を進めます。
これらの研究に対してご寄付を活用し、その成果をもとに、進行がんの治療成績を向上させることを目標としています。
※本プロジェクトはAll in方式にて実施しており、寄付総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、目標金額までの差額分の資金を研究費助成等にて補填し、上記の実施内容を実行します。
※上記の臨床研究の実施計画は、東北大学大学院医学系研究科倫理委員会にて審査・承認されています。また、本プロジェクトの実施完了は、2028年3月末日を予定しております。
※研究体制:石岡 千加史、高橋 雅信、城田 英和、今井 源、大内 康太、石川 徹(東北大学病院 腫瘍内科)
ゲノム解析:患者さんのがん組織や血液から得られるDNAの配列を解析する。
エピゲノム解析: DNAのメチル化(がん抑制遺伝子を不活化させる)や、DNA分子を折りたたみ凝縮させる蛋白ヒストンの修飾(発がんに関与する)有無を解析する。
マイクロビオーム解析:がん組織内に寄生する微生物(がん化、がんの進行及び抗がん剤の効果に関与する)の種類や量を解析する。
メタボローム解析:がん組織、血液検体内に存在する代謝物(ヒト、または体内に寄生する細菌由来)の種類や量を解析する。
佐谷秀行
藤田医科大学がん医療研究センター センター長
慶應義塾大学 名誉教授
国の予算が益々厳しくなり研究費が圧迫される中、逆に解析費用は高騰しており、公的資金だけでは研究を行うことは難しくなってきています。
研究を支援したい人たちの想いを募る意味で、個人個人の研究への支援は今後重要になってくると思います。石岡教授の研究チームは多くのがん患者さんの治療を行ってきた実績があり、データの宝庫です。皆さんの期待に応える成果を挙げてくださると確信し、本プロジェクトを応援いたします。
土岐祐一郎
大阪大学消化器外科 教授
ゲノム解析による個別化医療は、今後がん診療の中心になることは間違いありません。しかし、ゲノム解析は非常にお金がかかるので公的な資金だけでは困難です。
石岡先生を中心としたチームは東北から日本や世界を驚かせるような素晴らしいゲノム研究の結果を出してくれるものと私は信じております。皆でしっかりと応援しましょう。
天野慎介
グループ・ネクサス・ジャパン 理事長/全国がん患者団体連合会 理事長
がん患者にとって新しい治療の開発は、生きる希望に繋がる欠かせないものです。特に、治療成績が未だ十分でない難治がんや、患者数が少ない希少がんの患者は、がんゲノム医療の進展に大きな期待を寄せています。
また、国の研究予算が必ずしも十分でない中、寄付やクラウドファンディングによる研究費の支援の重要性が増しています。一人でも多くのがん患者に希望がもたらせるように、本プロジェクトを応援いたします。
希少がん・難治がんの新しい診断・治療の開発に取り組みます。
左から石岡千加史、高橋雅信、城田英和、今井 源
※写真のタオルは「希少がん啓発月間 RARECANCERS Awareness Month 2023」(一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク)の記念品です。
がんの疫学
日本では、1年間に約100万人の人ががんに罹患します。これは日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断される計算です。日本人が発病するがんのうち、男女合わせると最も多いのは大腸がんで、次いで胃がんです。一方、日本では1年間に37万人ががんで死亡します(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)。
1981年以降、40年以上にわたりがんが日本人の死因のトップです(出典:厚生労働省 令和3年(2021)人口動態統計)。
東北大学病院腫瘍内科では、これら日本人が多く罹患する胃がんや大腸がん及び、症例数が少ない希少がん、また進行が早く予後が極めて不良な難治がんなども担当し、それらの治療法の開発も精力的に行っています。
がんの治療成績
がんを発症した患者さんのうち、早期で見つかり治療により根治する患者さんもいます。しかし、進行した状態で見つかり、手術などの根治治療ができない患者さんが非常に多く見られます。
がんの進行度合いを「ステージ」と呼びます。ステージは0からⅣまで分類されステージが上がるごとに発見後5年の生存率は低くなっていきます(出典:全がん協加盟がん診療施設 部位別臨床病期5年生存率)。
ステージ0はがんが上皮内にとどまり転移の無い状態を言い、局所療法(外科的手術、内視鏡的手術など)で根治ができるステージです。我々、東北大学病院腫瘍内科ではステージが比較的進んだ患者さんの治療を行っており、ステージがⅢやⅣの患者さんの治療成績を改善させるべく研究を行っています。
一方、症例数が少ない希少がん(肉腫、神経内分泌がん、GIST、原発不明がんなど)や早期発見が困難、治療の効果が得られづらい、転移再発を来しやすいなどの難治がん(膵がん、スキルス胃がん、甲状腺未分化がんなど)が存在します。
希少がん・難治がんは特に治療法の開発が難しく、研究が進んでいないのが現状です。東北大学病院腫瘍内科ではこれら希少がん・難治がんの症例の治療も多数行っており、それらの治療法の開発も精力的に行っています。
近年、それぞれの患者さんの体質や病気の種類、その病気のタイプを詳しく調べ、その結果によって治療法を決定する個別化医療の開発が進んでいます。
特にがん診療の場で、ゲノム解析を行い遺伝子レベルの情報を得て、その情報を実臨床の場に活用するという個別化医療の研究が進んでいます。
すでにがん細胞の遺伝子変異や分子異常を調べ、それに対する抗がん剤を決定するという個別化医療が行われています。しかし、現在の個別化医療はまだ発展の余地が十分にあり、日本全体における重要なテーマとして、更なる研究の推進・制度の充実が必要な分野です。
これまでの研究で明らかになってきたこと
1.遺伝子異常とがん
正常細胞のDNAにいくつかの変異が生じる事で細胞ががん化します。そのうちがん遺伝子であるMYCやRAS遺伝子の増幅・変異、またがん抑制遺伝子であるTP53やAPCの不活化変異が細胞のがん化に強く関与している事がわかっています。(図4)
これら遺伝子変異のうちのいくつかは、その遺伝子を治療標的とする分子標的薬剤と呼ばれる抗がん剤が開発されています。すでに標的となっている遺伝子以外にも有力な治療標的となる遺伝子があると考えられ、その研究を日々進めています。
2.その他の分子異常とがん
DNAの損傷やミスマッチを修復する遺伝子に生まれつき変異を有している場合もあります。この場合は若年のうちに卵巣がんや乳がんを高率に発症したり(遺伝性乳がん卵巣がん症候群:HBOC)、大腸がん、胃がん、胆管がん、子宮体がんなどを発症します(Lynch症候群)。これらもがん抑制遺伝子の機能喪失変異の一種です。
がん遺伝子やがん抑制遺伝子の変異以外にも、がんの原因となる様々な細胞内分子の異常が報告されています(図5)。例えば、染色体の異常や異常融合蛋白による発がんがあります。また、テロメラーゼという酵素の合成異常により、染色体の両末端に位置する各タンパク質複合体であるテロメアの合成が活性化されることで細胞ががん化します。更に、遺伝子発現を調節するプロモーター領域のDNAに異常メチル化が生じることでがん抑制遺伝子が不活化し細胞のがん化に繋がります。最近では微生物の寄生による慢性炎症がエピゲノムに変化を及ぼし、それが発がんの原因になることもわかってきています。
3.臓器横断的ながん治療
これらの遺伝子異常や分子異常は、がんの種類とは関係なくどのがんでも見つかることがあります。例えばHER2という遺伝子の増幅は細胞のがん化や悪性度に関係しています。もともと乳がんで研究され、HER2遺伝子を阻害する抗体であるトラスツズマブが乳がん治療として用いられるようになりました。その後胃がんや大腸がん及び唾液腺がんでもHER2が増幅している症例があることがわかり、トラスツズマブはそれらのがんにも効果が認められ現在治療薬として使用できるようになっています。この概念を『臓器横断的がん治療』と呼びます。
このように様々な遺伝子異常や分子異常をターゲットにがん治療を行うことで、既存のがん種ごとに決まった抗がん剤を投与することに比べ、精度の高い抗がん剤投与を行える事が臓器横断的がん治療の利点です。
また、希少がんにおいても臓器横断的治療は応用できます。希少がんはその症例の少なさから治療法の開発には多くの時間と費用がかかりますが、臓器横断的治療を応用することで、希少がんの治療成績改善にも大きく貢献します。東北大学病院腫瘍内科では、このような臓器横断的ながん治療も数多く行っています。
これからの個別化医療は更に研究が進み、がん細胞の遺伝子変異解析はもとより、更に詳細な遺伝子や蛋白質の解析、その蛋白質の合成過程に関わる因子の解析、人体に寄生する細菌が産生する代謝物などを総合的に解析したデータ(オミックス解析)を基にした研究成果が得られていきます。
そこから高い効果が期待できる抗がん剤の開発、抗がん剤の効果を増強させる併用薬の開発、抗がん剤の副作用を軽減させる新たな治療法の開発など、がん治療において、患者さんに有益となる多くの新たな発見が期待できます。
本プロジェクトへのご寄附は、東北大学へのご寄附となり、税制上の優遇措置が受けられます。
※日本の納税者のみ対象となり、海外の方は優遇を受けることはできません。
<個人の皆様>
■所得税(所得控除)
寄附金額が年間2,000円を超える分について、所得控除を受けることができます。
寄附金額 − 2,000円 = 所得控除額
(控除対象となる寄附金の上限額は、当該年分の総所得金額の40%です)
■住民税
本学を「寄附金税額控除対象法人等」として指定している宮城県および市区町村(仙台市、多賀城市、石巻市、富谷市、亘理町、女川町)にお住まいの寄附者の皆様は、所得控除に加えて、翌年の個人住民税が軽減されます。
(寄附金額 − 2,000円) × 4~10% = 住民税控除額
(控除対象となる寄附金の上限額は、当該年分の総所得金額の30%です)
※上記の計算式の4~10%について
・都道府県が指定した寄附金は4%
・市区町村が指定した寄附金は6%
(都道府県と市区町村双方が指定した寄附金の場合は10%)
※仙台市にお住まいの方は、控除率が都道府県民税2%、市区町村民税8%となります。控除割合の合計は10%となり、他の対象市区町村にお住まいの方と同等です。
<法人様>
寄附金の全額を損金算入することができます。
<寄附金領収証明書の発行について>
寄附をされた方には、後日「寄附金領収証明書」を送付致します。
※寄附金領収証明書のお名前はギフト送付先にご登録いただいたお名前となります。
確定申告の際は、ご本名と現住所(住民票に記載のご住所)、法人様の場合は登記簿上の名称とご住所での領収証明書が必要となりますので、ご注意ください。
(2023年9月末までに送付の予定です。なお、寄附金領収証明書の日付は、READYFORから東北大学に入金のある2023年8月の日付となります。)
※なお、本プロジェクトへのご寄附は、「東北大学基金」の顕彰の対象とさせて頂きたく存じます。
※寄附金領収証明書の発行と、ご芳名掲載および顕彰内容につきましては、追って東北大学基金よりご連絡させて頂く場合がございます。ご了承ください。
インターネットでのご寄附が難しい方は、
下記のお問い合わせ先までご連絡下さい。
<問い合わせ先>
東北大学基金事務局
E-mail:kikin@grp.tohoku.ac.jp
TEL:022-217-5058・5905
|本研究について
● 本クラウドファンディングは、「個別化医療に向けての新規診断法や新規治療標的の探索」、および関連する研究や研究体制の維持に対してのご寄附をお願いするものです。さまざまな解析においては、必ずしも想定した結果が得られるとは限りません。
|クラウドファンディングについて
● このプロジェクトは目標金額の達成有無にかかわらず、寄附をした時点で申し込みが確定し、その後のキャンセルはできませんのでご注意ください。
● 寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの寄附獲得のPRのために利用させていただく場合があります。
● 銀行振込にてご寄附いただく際、返金先口座情報をお伺いいたしますが、All in方式のため原則返金はいたしません。ただし万一本サイトでご紹介、お約束していたプロジェクトを実施できなかった場合や、振込金額が予約金額より超過している、もしくは不足しており追加で振込まれない場合に返金先口座を利用いたします。お手数ですがご入力をお願いいたします。
● 本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
|個人情報の取扱いについて
●今後、東北大学からのご報告や寄附のご案内(郵送・メール等)をお送りすることがあります。ご希望されない方は、本クラウドファンディング寄附手続き時にご指定ください。
<プロジェクト内容についてのお問い合わせ>
問い合わせ窓口:東北大学大学院医学系研究科 臨床腫瘍学分野
メールアドレス: toruishi@t-core.jp(石川)
<ご寄附の方法などについてのお問い合わせ>
※インターネットでのご寄附が難しい方は、下記のお問い合わせ先までご連絡下さい。
問い合わせ窓口:東北大学基金事務局
メールアドレス:kikin@grp.tohoku.ac.jp
電話番号 :022-217-5058・5905
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