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Cedars-Sinai Medical Center(以下、CSMC)の視察がスタートし、1日目を充実して終えた我々。2日目は今回の視察で最大の山場である、我々のプレゼンテーションを迎えます。一方的に教えてもらうだけではなく、我々の取り組みもきちんと伝えるべく準備してきました。前回に引き続き、視察の様子を感じてもらえるよう時系列でお伝えしていきます。
6月15日(木)
9:00-9:30 Breakfast & Update on Aso Iizuka Hospital Program
朝からいきなり我々のプレゼンテーションの時間である。数人の前でお話しすることをイメージしていたが、CSMC側は緩和ケアに関わる、ほぼ全てのチームメンバーが一同に介していた。緩和ケアチームの中心的役割を担うナースプラクティショナーや薬剤師、チャプレンなどなど。日本の緩和ケアの概略や飯塚病院で取り組んできたことなどをお話しし、非常に真剣に話を聞いていただいた。
質疑応答では様々なコメントや質問をいただいた。訪問診療などにも関わることで継続性のある緩和ケア提供をしているが、保険制度の違いもあり米国では見られないモデルであると感じられたようだった。
10:00-10:30 Supportive Care Medicine / Interdisciplinary Team Huddle
多職種でのミーティング(ハドル)を実演していただいた。薬剤師、チャプレン、MSWらが積極的に意見を述べている点や、ナースプラクティショナーが中心になって司会していることが印象的であった。運営の中心が看護師である点は飯塚病院の緩和ケアチームと同様であり、当院の緩和ケア認定看護師が見学する機会が今後あれば、CSMCとの提携が多職種にとってもさらに有効な取り組みとなる予感がした。
10:30-11:15 Caring for Caregivers
チャプレン、MSWより心理的/スピリチュアルケアについて概略を説明いただいた各職種で家族らの支援をしていることは日本、飯塚病院とも共通であるが、チャプレンといった宗教的背景のバックグランドを持つ専門職が存在することは大きな違いである。
11:15-11:30 Break
11:30-12:30 Care for Healthcare Providers
医療スタッフのメンタル不調をどのように防ぐかといった点について、CSMCの取り組みを伺った。スタッフ個別への支援を目的とした面談や、グループでの振り返りなどの取り組みを紹介いただく。連携医療・緩和ケア科でもスタッフの感情に焦点を当てたスモールグループカンファレンスを行っていることを紹介し、運営上に注意している点などの情報交換を行なった。CSMCにとっても参考になる点はあった様子であった。
12:30-13:30 Lunch & Palliative Care for End-Stage Liver Disease & the Surgical ICU
非がん疾患としての終末期肝不全患者を取り上げ、主治医と緩和ケアチームの連携について紹介いただいた。臓器移植が日本よりも多いこともあり、ICUなどで緩和ケア提供の機能はより必要となる環境であると感じた。またこの分野は当面、日本では十分な経験を積むことができないため、飯塚病院のメンバーにとっては見聞を広めるという意味では重要な分野である。プレゼンテーションをされた緩和ケア医はCSMCの緩和ケアプログラムを卒業し、その後もCSMCの緩和ケアにおける指導医を務めている。プログラム運営についてもお話を伺い、3人の採用枠に対して90人の応募があるとのこと。この辺りは規模感が全く異なることを実感する点である。
13:30-14:30 Hospital Tour & Clinic Tour
外来化学療法室を見学した。抗がん剤の投与時間が長い患者と、短い患者でエリアを分けており、業務効率を上げていた。待合室は照明はソファなども非常に洗練されており、空間としてのデザインは誰がリーダーとして取り組んでいるのかを尋ねたが、案内をしてくれた医師は「分からない。多分事務の誰か」とのことだった。まあそうだよねって回答にお互い苦笑い。
見学中に病院病床管理が管理部門の廊下に表示されていることに気づいた。各数字は現在の入院患者数や稼働率、退院予想だけでなく、救急外来での入院待機患者数も表示されている。これらを見ると、どの程度の患者が今後入院するかといった病床稼働に必要な数字が一目瞭然である。これらを可能にするには、ある程度自動で数字がモニターされることに加え、「どの程度の待ち時間を待たせすぎとみなすか?」といった標準の設定などの取り組みが必須である。次回、行くときには病院管理部門のことについても少し深掘りしたい。
そんなこんなであっという間に2日間の視察が終了しました。1日目に続いて2日目も盛りだくさんの内容でした。あとは安全に帰国して、どのように経験を生かすか!ということが大切。そんな気持ちを抱きながら帰国の途につくのでした。
次回はいよいよこの視察紀行も最終回です。視察を通じて感じたことなどを振り返ります。ぜひとも最後までお付き合いください。
視察の詳細は飯塚病院 連携医療・緩和ケア科のブログでも公開中です。個人的な連絡やご質問はいつでも歓迎です。サイトのお問い合わせからいつでもご連絡ください!
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