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昨今、がんにかかる人は増加しているが、死亡率は年々下がり続けているのをご存じだろうか――。「がん治療」の進化が著しいことが大きな要因の一つだ。一方で、患者側の最新医療に関する知識がアップデートされていないばかりに、手遅れになってしまうケースも残念ながら少なくないという。
がん治療で後悔しないために、私たちが身につけておくべき知識とは何か。国立がん研究センターが、現時点で最も確かな情報をベースに作成した『「がん」はどうやって治すのか』から、そのポイントをお伝えしたい。今回は、細胞レベルで診断を行っている「病理」の世界におけるがんの治療を解説しよう。
*本記事は国立がん研究センター編『「がん」はどうやって治すのか』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
がんの病理診断に明確な基準はない?
病理診断では、どのような基準でがんであるかどうかを判断しているのでしょうか? じつは、数値で表せるような明確な基準はありません。
皆さんは黄色いリンゴと梨を一目で区別できると思いますが、「どんな基準でリンゴと梨を区別しているのですか」ときかれたら、皮がツルツルかザラザラかとか、お尻の形とかいろいろな特徴を挙げると思います。それと同じです。
細胞診断の場合は、細胞の大きさや形、核の大きさ、染色でどのような色がついているかなどから、採取された細胞ががん細胞であるかどうかを診断します(写真「子宮頸がんの細胞と乳がんの細胞」)。
がん細胞に見られる特徴とは
たとえば、扁平上皮がんではパパニコロウ染色でオレンジ色に染色される細胞が出てきます。この色調の変化は正常細胞にも見られますが、がん細胞ではそれに加えて核の腫大・不整が見られます(写真「子宮頸がんの細胞と乳がんの細胞」 左)。
乳腺の場合には、均一な細胞が観察される点で乳がんと診断されます(写真「子宮頸がんの細胞と乳がんの細胞」 左)。
病理組織診断の場合は、細胞異型と構造異型という視点で組織を見ます。細胞異型とは、1個の細胞の形や細胞内の要素がどのぐらいがんとしての特徴をもっているかということで、構造異型とは、複数の細胞が集まった組織の配列がどのぐらい正常からへだたっているかということです。
どちらも臓器ごとに違いがあり、どちらを主に見るかも臓器によります。
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