[ad_1]
高齢での手術は逆効果の危険も
いまやがんは「不治の病」ではなくなりました。隔世の感があります。かつて医者は、がんを発見すると、告知をするかしないか、悩んだものです。しかし、いまやすぐに告知し、治療方法を告げます。
多くの患者さんはそれを受け入れ、手術を受けますが、かえってがんを悪化させ、寿命を縮める場合があるから厄介です。それは多くの場合、高齢になってがんが発見された場合です。これまで私も治療法の相談を受けてきました。
あるときから決めたことがあります。患者さんが後期高齢者となる75歳以上なら、なるべく手術を避けるということです。自分の周りで、75歳を過ぎて手術して、元気になった方がいないことに思い至ったからです。
早期発見でがんは治るということが浸透していますから、手術を避けると言うと多くの方が戸惑います。もちろん、がんの部位、ステージによりますが、高齢者の場合、手術が逆効果というケースが多いのです。特に治りにくい難治性がんとされる「肝胆膵のがん」(肝臓がん、胆道がん、膵臓がん)の手術は避けるべきです。肺、胃、大腸などのがんでも避けたほうがいい場合が多いのです。
多くの医者は手術至上主義、がん=切除
平均寿命が延びたのはいいことですが、それにより、昔なら60歳、70歳の人にしていた手術を、いまは75歳以上の後期高齢者にもしています。日本のがん治療は「手術至上主義」なので、多くの医者は「がん=切除」というアタマで、患者さんの年齢のことはあまり考えません。
特に、若い医者は老人の体を知りません。そのため、手術を失敗することがままあります。私の知人も、食道がんの手術をしたのですが、術後に肺炎を起こし、気管切開手術を受け、それがうまくいかずに、あっという間に亡くなりました。75歳でした。
手術前、担当の若い医者は、「初期なのでがんも小さいし、問題はありません」と言っていたと聞きました。しかし、いくら簡単な手術とはいえ、体を切開してその一部を切り取るのですから、その後の生活に影響を与えないわけがありません。
[ad_2]
Source link