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大腸がんの初期は自覚症状がないことが多い。血便や腹痛などの症状が出た場合には、ステージII以上に進行しているケースが多く、再発率も高くなる。一方、比較的早期発見が可能で、転移していても予後が良いのも大腸がんの特徴だ。
大腸がん治療は、まず内視鏡や手術で取り除くことが原則だ。発生部位やステージなどに応じて抗がん剤、放射線治療を組み合わせる。手術は開腹から腹腔(ふくくう)鏡、そしてロボット支援と大きく変化したが、治療全体も大きく進化した。
約二十年前、私の直腸がんが判明したのは会社の健康診断での便の潜血反応がきっかけだった。痔(じ)だと思わなくて良かったと一回目に書いたが、当時、東京・四谷の胃腸病院で執刀してくれた東京・日本橋の「KRD nihombashi」の田中岳史院長によると、便の潜血検査も大きく進歩しているという。
「昔は歯茎からの出血でも反応しました。今は大腸からの出血に反応するよう精度が高まっています」。健診で潜血反応が出たら勝手に判断せず、内視鏡検査を受けてほしい。
大腸がんの薬物療法は現在、以前からある抗がん剤と特定のがん細胞を狙う分子標的薬の組み合わせで行われていることも多い。
抗がん剤はかつては、重い副作用にさいなまれる負のイメージが強かった。「以前は患者が副作用でぐったりしても、医師はがん細胞を根絶やしにするんだ、という考えでした。今は、がん細胞が多少、体の中に残っていても悪さをしなければいい、という生活の質を考えた治療概念に変わってきています」
分子標的薬はがん細胞の増殖や転移を担う特定の遺伝子から作り出される分子だけを狙い撃ちする。
「昔の抗がん剤は正常な細胞にも毒でした。現在は遺伝子の分子をターゲットにして誘導ミサイルを撃つようにがん細胞だけをやっつける。効果が良く、そして副作用を抑えたテーラーメード(個別化)治療ができる。単価は高いが保険適用も広がってきています」と田中院長。今、治療は外来で受けられ、必ずしも入院する必要はないという。
免疫の力を利用した治療法も進んでいる。患者の血液から採取した免疫細胞を増殖し、活性化したうえで再び体に戻し、免疫力を高めてがん細胞をたたく。賢いがん細胞は自分を正常な細胞に見せようとするので、そういう信号を出す細胞をブロックする薬もあるそうだ。
二人に一人ががんになる時代。医学の進歩はめざましく、必要以上に恐れる必要はない。健診をしっかりと受けて、がんと向き合う勇気をもってほしい。(瀬口晴義)=おわり
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