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限られた財源を「新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関」に集中投入する必要があり、現在の緊急包括支援金に代えて、「新型コロナウイルス感染症患者を一定数以上受け入れ、スタッフの処遇維持・改善を行う医療機関」に「前年同月・前々年同月等と同水準の診療報酬を支払う」仕組みへ改めよ―。

また「新型コロナウイルス感染症を受け入れない医療機関」への支援・補助については見直す必要がある―。

4月15日に開催された財政制度等審議会・財政制度分科会で、財務省はこうした考えを提示しました。

新型コロナウイルス感染症が依然として猛威を振るい、感染力の強い変異株を端緒とする「第4波」が到来しています。「感染拡大防止策」「医療提供体制の確保」が継続した重要課題であることは述べるまでもありません。

医療提供体制に関しては、▼ベッドの確保▼医療人材の確保▼人工呼吸器やECMOなどの設備整備▼宿泊療養施設の確保▼個人防護具の整備—などが必要となり、当然、「コスト増」となります。一方で、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、▼外来患者の減少(患者の受診減)▼検査受診者の減少(同)▼入院患者の減少(新型コロナウイルス感染症の重症患者への医療資源集中)▼手術の減少(同)―などにより、医療機関の収益が減少しています。

このため厚労省は、医療機関のコスト増等を考慮した「緊急包括支援事業」を2020年度に続き、2021年度にも実施しています。例えば「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるための病床確保(空床確保など)」「軽症で重症化リスクの低い感染患者を受け入れる宿泊施設の整備」「新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者への慰労金」「医療機関等における感染防止」など多くの事業補助を行うものです(緊急包括支援金の支給など、1次補正の関連記事はこちら、2次補正の関連記事はこちら、予備費を活用した空床確保補助の引き上げなどに関する記事はこちら、昨年末に設けられた人件費補助とその拡充に関する記事はこちら、2021年度事業の事業実施に関する記事はこちら)。

しかし財務省は、▼診療報酬の不足は診療報酬で補うことが自然である▼診療報酬上の対応の方が、執行の迅速性(つまり速やかな入金)や措置の安定性・予見可能性(補助金が入院されるか否かの不安が解消される)も確保できる▼日常から習熟している業務処理となるため医療機関の事務負担も少ない―というメリットを掲げ、「今後、緊急包括支援交付金等に代えて、新型コロナウイルス感染症への貢献を要件として、前年同月あるいは新型コロナウイルス感染症拡大前の前々年同月水準の診療報酬を支払う」簡便な手法を検討すべきと提案しています。

【要件】
▽新型コロナウイルス感染症の拡大状況などから対応が必要となる都道府県において、都道府県知事の同意を得る
一定程度新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れ
▽当該医療機関において医療従事者の処遇を維持・改善する

【効果】
前年同月あるいは前々年同月水準の「いずれか多い方の診療報酬総額」を基準として同水準が維持されるよう診療報酬を支払う(例えば、請求点数が前年同月等に比べて2割減となった場合には、1点単価を12.5円に補正するなど)

コロナ感染症への貢献度に応じた財政支援策への移行を提案(財政審・財政制度等分科会2 210415)

コロナ感染症入院患者の受け入れには医療機関間でバラつきが大きい(財政審・財政制度等分科会1 210415)

あわせて、「新型コロナウイルス感染症に対応しない医療機関」に対する支援金・補助金については、「限られた財政資源を『新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関』へ集中的に投入する」観点から、目的・効果に遡った見直しを行うことを強く要請しています。

もちろん「新型コロナウイルス感染症への対応」に関する貢献は、「入院患者の直接の受け入れ」に限られるものではありません。例えば「回復患者を受け入れる後方病院」も大きく貢献していることに疑いはないでしょう。こうした点への考慮も必要です。

このほか財務省は、2020年度の次期診療報酬改定などを睨み、例えば次のような提案も行っています。今後も議論を重ね「建議」としてまとめられる予定です。薬価について「再度の提案」内容が多く新味に欠けますが、その分「財務省が薬価改革に極めて強い関心を持っておる」ことを再確認できます。

医療資源が散在する「低密度医療」の見直しが必要である。新型コロナウイルス感染症の拡大によって医療提供体制の課題が浮き彫りとなって迎える2020年度診療報酬改定においては「医療提供体制の改革なくして診療報酬改定なし」と考えるべきである

▽▼財政影響を勘案して新薬の保険適用の可否を判断する▼新薬を保険適用する場合に は「既存薬の保険給付範囲の見直し」と財政中立で行う―ことを含め「保険適用された医薬品に対する予算統制のあり方」を抜本的に見直し、正常化を図る

▽薬価算定方式について、いたずらな国民負担増大を抑止するため、▼原価開示度に応じた薬価の厳格化の実現▼新規性に乏しい新薬に類似薬効比較方式を採用する際の厳格化▼原価計算方式の更なる適正化▼補正加算のあり方の見直し―を行う

▽薬剤の保険給付範囲について、▼薬剤の種類に応じた患者負担▼薬剤費の一定額までの全額患者負担—など幅広く検討する

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