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 甲状腺がんのうち、1~2%とまれな「 髄様ずいよう がん」には、遺伝で発症するタイプがある。治療方針が変わるため、髄様がんと診断された患者には「遺伝学的検査」が勧められるようになり、2016年から保険が適用された。

変わる甲状腺がん治療<5>遺伝検査で早期発見を

子どもがほしいと考えている女性(左)は、内野さんの「遺伝カウンセリング」を受けた(野口病院で)=内野さん提供

 宮崎県に住む30歳代のパート女性は、27歳の時、職場の健診をきっかけに髄様がんと分かった。

 「私もなの?」。その8年前、母親が同じがんと診断されたとき、遺伝の検査があることは知ったが、受けずにいた。「甲状腺がんは死亡率が低いから、大丈夫だろう」と重く受け止めなかったことを悔やんだ。

 「私の責任だね。ごめんね」と悲しむ母親の前では平気なふりをしたものの、内心は「遺伝性なのかはまだ分からないけど、がんはがんなので、怖くなった」。

 髄様がんの患者で、遺伝性の割合は30%とされる。女性は遺伝の検査のため、母親も通院する甲状腺の専門病院、野口病院(大分県別府市)を訪ねた。血液中のDNAから、特定の遺伝子の変化があるかどうか調べる。

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