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2021年09月13日 10:15
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新型コロナウイルス感染予防のため病院での面会が制限される中、長期の入院を経験したフリーアナウンサーの笠井信輔さん(58)始めがんサバイバーらで作る「#病室WiFi協議会」は、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院など563病院を対象に、病室で無料Wi-Fi〔ワイファイ〕が使えるかどうかの聞き取り調査を行った。その結果、全病室無料で使える病院は20%しかなかった。一方で、がん研有明病院や国立がん研究センター中央病院、慶応大病院など主要な施設のほか、山形県と愛媛県は調査対象の半数で使えることがわかった。笠井さんらは「入院患者にとって、SNSでの家族や友人との交流や動画での気晴らしは大きな救い。国の補助制度もあるので、ぜひ、無料で使えるようにしていただきたい」と全国の病院長に呼びかけている。協議会のホームページ#病室 WiFi 協議会で無料Wi-Fiが使える病院名を公開している。
電子カルテシステムの干渉は心配ない
この調査は、全国の「がん診療連携拠点病院」等451施設、「小児がん拠点病院」15施設、「国立病院機構」140施設の563施設(内訳は一部重複) を対象に、調査ボランティア95人を募って、6~8月に電話などで行った。全病室無料Wi-Fiを導入しているのは、がん診療連携拠点病院等の23.9%、小児がん拠点病院13.3%、国立病院機構はわずか7.9%だった。
笠井さんらの聞き取りによると、病院が患者向けのWi-Fi設置に消極的な理由は、導入費用に加えて、医療機器や電子カルテシステムとの干渉を心配するためという。実際に多くの病院が導入しており、技術的な問題は解決可能で、費用についても国に補助金を申請できるため、笠井さんは「病院長のヤル気ひとつで実現できる」と言う。
「痛みには、精神的な要因も関連しているので、医療者の実感レベルですが、Wi-Fiの導入でナースコールや鎮痛剤の処方が減ったところもあると聞いています」と笠井さんは話している。
悪性リンパ腫、4か月の入院で孤独を実感
笠井さんは2019年11月に、悪性リンパ腫と診断され、抗がん剤治療のために4か月の入院を経験。20年2月には、新型コロナの影響で家族以外のお見舞いがなくなった。「社会から完全に隔離されるのが、どれだけ孤独なことか」。SNSでの交流やウェブ会議システムを使ったお見舞い、好きな映画や音楽を楽しむことで孤独感から救われたそうだ。入院していた病院には、無料Wi-Fiはなく、月1万円追加の使用料を払って使ったという。
病室WiFi設置が国の補助事業に、9月末まで
SNSで「がん友」が出来て、情報を交換するうちに、Wi-Fiの使用を制限したり、禁止したりする病院もあることを知った。「入院中は孤独に耐えろということですよ」。さらに「医療費だけでも負担なのに、Wi-Fiを契約して出費が増えるのは避けたかった」という患者の声も耳に入ってきた。そこで、病院での無料Wi-Fiを普及しようと、今年1月、同じ思いを持つ仲間と同協議会を結成して、国に補助事業の実施を求めてきた。活動のかいがあって、4月には新型コロナ対策の一環として、病院への患者用Wi-Fiの設置が事業として認められた。申請は9月末が締め切りなので、同協議会では事業の継続を国に働きかけている。
患者の心に配慮するのも医療そのもの
病院選びは、その分野の経験が豊富な医師がいるかどうかが何よりも重要な点だが、無料Wi-Fiの導入も参考材料のひとつにはなりそうだ。病院として、患者の心に寄り添う姿勢を持っているのか、通信の安全性を評価する冷静な判断力があるかどうか。患者側にも「病院に無料Wi-Fiまで求めるのは」という声もあるようだが、病院が患者の病気やケガの回復に最大限の力を尽くす施設とするなら、何も手術や投薬だけが医療ではない。患者の心を楽にする配慮も医療そのものではないだろうか。
(2021年9月13日 読売新聞・渡辺勝敏)
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病院の患者用WiFi環境に大きな格差、病室無料はがん研有明病院などわずか20%……#病室WiFi協議会563病院調査結果を公開〔読売新聞〕
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