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【科目】介護✕在宅介護 【テーマ】アフターコロナに求められる施設の面会
【目次】
全国的に統一された面会基準を数字で具体的に示してほしい
アフターコロナは「ガラス越しの面会」が理想
患者のベッドを移動して面会する施設もある
読者の皆様、こんばんは。『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』の著者であり、「介護作家」「メディア評論家」「よしてよせての会」代表の奥村シンゴです。
私は、今年9月に家族の介護や世話をする18歳未満のヤングケアラー・18歳~30代の若者ケアラー・30代後半~40代後半の就職氷河期ケアラーの就業支援などを国・政治家へ直接意見を伝えるコミュニティー「よしてよせての会」を設立しました。フジテレビや介護専門誌日総研認知症ケア、ヤフーニュース、現代ビジネスなどにも紹介されました。
新型コロナウイルスの新規感染者数が減り、緊急事態宣言の解除、行動制限緩和と明るい話題が聞かれるようになってきましたね。
そこで、病院や高齢者施設もそろそろ対面面会の再開やオンライン面会の普及率アップをしていただきたいと思い、先日「よしてよせての会」でアフターコロナの面会方法について話し合いの機会をつくりました。
元ヤングケアラー・ミドルケアラー・地域包括職員・介護従事者と私で意見を出し合いました。今回はその中で取り上げられた話についてご紹介したいと思います。
全国的に統一された面会基準を数字で具体的に示してほしい
厚生労働省は、「介護保険施設等の運営基準において、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族の交流等の機会を確保するよう努めなければならない」と病院や高齢者施設に通達しています。
具体的には、「1日5組までガラス越しでの面会」「換気可能な相談室で、正面で向かい合わず1m以上空けての面会」「1回15分程度のリモート面会」を推奨しています。
しかしながら、病院や高齢者施設によっては面会を実施しているところとそうでないところがあります。
神奈川県の医療系財団である「あなたの医療」の調査によれば、面会を「停止している」が72%、「実施している」が20%と低い水準になっています。原因は、「マンパワー不足」が25%、「時間がない」が12%、「取り入れ方がわからない」が9%となっていて、多くは人手が足りないことを理由にあげています。
ところが、同じ規模の病院や高齢者施設でも面会可否や時間の基準が分かれているのが現実です。「よしてよせての会」でも議論になり、「具体的な面会基準を設けてほしい」という意見が多数あがりました。
話し合いの結果、面会基準の方法をレベル分けすることで実施できるのではないかと私たちは考えています。そのためには、各自治体の新規感染者・重症者・死者数、病床逼迫具合、保健所の逼迫具合、自宅療養者の人数を総合的に判断することが大切です。レベル1からレベル5に分けたうえで、患者や利用者とその家族に情報を開示してもらいたいと思います。レベル1や2は「対面面会」、レベル3~5は「オンライン面会」と分けて実施できるのではないでしょうか。
アフターコロナは「ガラス越しの面会」が理想
現在、高齢者施設や病院で面会を実施しているところの大半は「オンライン面会」で、施設内にタブレット端末を置いて部屋と施設内をつないだり、LINEで施設内と遠方家族と連絡を取り合ったりしています。
普段の業務に加え、新型コロナ対策で忙しい中、実施していただいているのですが、それでもいくつかの問題点があるようです。
「よしてよせての会」に参加した地域包括職員は次のように話してくれました。
「リモート面会を自ら望む患者や家族は少ない印象があります。できることなら、実際会って話したり、手を握ったりしたいものだと思います。そういう意味で、アフターコロナで対面の面会となれば、施設の屋内と屋外を使うガラス越し面会が一番可能性があるのではないでしょうか」
私事で恐縮ですが、この意見には大変共感しました。というのも、私は30歳過ぎからガン・精神疾患の母親と認知症祖母を9年間介護しています。今でいうところの「ヤング(私はミドル)ケアラー」の一人です。母親は今年8月に「身体表現性障がい(精神疾患)で精神科病院に入院後、会えたのはリモート面会の一度のみ。祖母は今年7月に「壊死性軟部組織感染症」で入院後、一度も会えていません。やはり、家族としてはリモート面会より対面面会を希望します。
それでは、対面面会を実施しているところはどのような方法をとっているのか気になりますが、これにもいろいろ問題を指摘する声がありました。
患者のベッドを移動して面会する施設もある
「よしてよせての会」で、元医療従事者のヤングケアラーが「療養型病院で対面面会を実施しているところがあるんですよ」と聞き、驚きました。
療養型病院と言えば、寝たきりなど要介護度が比較的重い患者が中心で、ケアレベルが高い病院や高齢者施設の中で、注意深く感染症対策をしているはずです。
では、どうやって対面面会を実現しているのでしょうか。
まずは、上層階の病棟から1階に降りてもらい、相談室で面会をします。あるいは、身体の不自由などで1階に行けない場合は、患者のベッドを医師・看護士らが上層階から低層階に降ろして面会するそうです。この対応は、患者や家族をはじめ、地元でも大好評だそうです。
療養型病院は、相対的にマンパワー不足が深刻な中、こうした取り組みをしているところもあるのです。
「よしてよせての会」に参加していた元医療従事者のヤングケアラーや地域包括センターの人からは「病院や高齢者施設のコロナ対策は大変で頭が下がります。ですが、場所によって経営陣や職員の患者や家族に対するマインドやモチベーションが違います。1年半、2年と対面面会ができていない人たちも多くいますので、まずは長く会えていない、終末期の方中心に優先してほしい」という意見が聞かれました。
新型コロナの感染者数が減少し、2度目のワクチン接種完了が進んだ今、面会制限緩和を進めるには絶好のタイミングです。対面面会やオンライン面会がまだ実施できていないところは、患者や家族のニーズをもう少し考慮してほしいと思います。また、人との交流がなくなると、認知症などが進行し、ADL(日常生活動作)低下にもつながりかねないので、すべての施設で工夫を凝らしてくれることを願っています。
こうした病院・高齢者施設の内情や選び方のコツは、近著『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』(株式会社法研)に書いています。今、クローズアップされているヤングケアラーなどの若者介護問題と合わせて、お悩み解決や裏話も満載です。読売新聞・朝日新聞・共同通信・ヤフーニュース・介護専門誌日総研認知症ケアなど多数で紹介され、ジュンク堂ランキング1位を獲得しました。ぜひご一読ください。
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