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2022年5月12日
大鵬薬品工業株式会社
Cullinan Oncology, Inc.
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202205121088-O1-47rgl1j7】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202205121088-O2-3mcmnOCn】
大鵬薬品とCullinan Oncology社 CLN-081/TAS6417の共同開発・共同販売および
大鵬薬品の米国Cullinan Pearl社買収に関する契約を締結
・今回の契約で、大鵬薬品はCullinan Pearlを買収し、CLN-081/TAS6417のグローバルでの独占的権利(米国以外)を取得。米国においては、大鵬薬品とCullinan Oncologyの両社で共同開発、共同販売を行う
・ Cullinan Oncologyは対価として、契約一時金2.75億米ドルに加え、マイルストーン達成に応じて追加で最大1.3億米ドルを受け取る権利を取得する
・ 大鵬薬品とCullinan OncologyはCLN-081/TAS6417承認後の米国での利益を等分する
大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とCullinan Oncology, Inc.(カリナンオンコロジー、本社:米国マサチューセッツ州、President and Chief Executive Officer:Nadim Ahmed、以下「Cullinan Oncology」)は、大鵬薬品によるCullinan Pearl Corp.(カリナンパール、以下「Cullinan Pearl」)買収契約および開発中のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤CLN-081/TAS6417(Cullinan Oncology開発コード:CLN-081、大鵬薬品開発コード:TAS6417)を米国で共同開発・共同販売する契約を締結したことを、お知らせします。本買収は、今後必要な審査および手続きを経て、2022年第2四半期中に完了する予定です。
Cullinan Oncologyの子会社であるCullinan Pearlは、CLN-081/TAS6417の独占的権利(日本以外*)を保有していました。大鵬薬品は買収の対価として、Cullinan Oncologyに対して契約一時金2.75億米ドル、さらにEFGRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんの各承認マイルストーンとして最大で合計1.3億米ドルを支払います。Cullinan Oncologyは、米国においてCLN-081/TAS6417を共同開発する権利および共同販売するオプション権を取得し、大鵬薬品とはその米国子会社であるTaiho Oncology, Inc.(大鵬オンコロジー)を通して協働します。米国と中国を除く地域では、大鵬薬品が販売を担います。今後CLN-081/TAS6417の米国での臨床開発費は大鵬薬品とCullinan Oncologyの両社で折半し、承認後には米国での利益を両社で等分します。Cullinan Oncologyは、今回の契約一時金の受け取りおよび開発費、販売前費用の削減により、現在の事業計画を元に算出した自社の資金繰りが2026年まで延長すると見込んでいます。この見込みには、各承認マイルストーンや米国での利益等分の受け取りは含みません。
*CLN-081/TAS6417の中国における権利は、Cullinan Pearlが2020年にZai Lab (Shanghai) Co., Ltd.(ザイラボ)にライセンスアウトしています
世界で毎年新たに肺がんと診断される患者さんの約85%1を占める約188万人が非小細胞肺がんであるとされ、その中でさらにエクソン20挿入変異の患者さんは約2%2-3、およそ3.8万人と考えられています。米国では非小細胞肺がんの約16%にEGFR変異が発現し、その中の12%4がエクソン20挿入変異を有するといわれています。EGFRエクソン20挿入変異を持つ患者さんは、エクソン19欠損など発生頻度が高いEGFR変異の患者さんに比べて予後が悪いことが分かっています。これらのエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんの患者さんを対象に、CLN-081/TAS6417の第Ⅰ/Ⅱa相試験を現在実施しています。
大鵬薬品 代表取締役社長 小林将之は「大鵬薬品で創製したCLN-081/TAS6417を改めて社内のパイプラインに加え、販売に向けてCullinan Oncologyと力を合わせることを嬉しく思っています。Cullinan Oncologyはわずか3年でCLN-081/TAS6417をIND申請前から現在計画している臨床試験まで進めており、その間に米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定を受けています。Cullinan Oncologyのユニークなビジネスモデルを活用するこの戦略的提携により、CLN-081/TAS6417の最大化および開発の加速を目指します。この薬剤を待ち望む患者さんに一日も早くお届けできるよう、Cullinan Oncologyとともに大鵬グループとして全力を尽くしてまいります。」と述べています。
Cullinan OncologyのChief Executive OfficerであるNadim Ahmedは「大鵬薬品とともにこのコラボレーションを始めることを楽しみにしています。大鵬薬品は、化合物自体に対する深い理解があることに加え、戦略的に選択的治療の開発に取り組んでいること、子会社Cullinan Pearlを共同保有していたこと、米国におけるがん領域での高い販売能力を持っていることから、今後のCLN-081/TAS6417の臨床開発および販売を進めるにあたり、理想的なパートナーです。また、今回の契約形態は米国における私たちの販売体制を十分に確立する機会を提供してくれます。これは自社の次の開発品を販売する際にも役立つという点で重要です。
さらには、今回の契約による対価の受け取り、開発費の共同負担、そして販売時に将来得うる継続的収入源ができたことで、それぞれがファーストもしくはベストインクラスとなり得る幅広いモダリティで構成されているCullinan Oncologyの強固なパイプラインにより多くの資源を費やすことができます。このことは、がん患者さんに新たな治療法を届けるという私たちの約束を果たすことにつながります。」と述べています。
【CLN-081/TAS6417について】
CLN-081/TAS6417は、がんドライバーである上皮成長因子受容体(EGFR)変異をターゲットに設計した低分子化合物です。本剤はエクソン20挿入変異に高い阻害活性を有するチロシンキナーゼ阻害剤であり、野生型EGFRよりもEGFRエクソン20挿入変異に対して選択的に作用します。アンメット・メディカル・ニーズの高いEGFR遺伝子変異エクソン20挿入変異の肺がんに対して新たな治療選択肢の一つになる可能性が期待されています。
大鵬薬品とCullinan Oncologyは共同でCullinan Pearlを立ち上げ、CLN-081/TAS6417の独占的開発および販売に関する世界的権利(日本を除く)を2019年にスピンアウトしました。この契約以降、Cullinan PearlはCLN-081/TAS6417の治験新薬申請(Investigational New Drug申請)を行い、EGFR エクソン20挿入変異のある非小細胞肺がんに対して現在進行中のグローバル第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を開始するなど、開発を迅速に進めてきました。CLN-081/TAS6417は2022年1月にFDAよりブレークスルーセラピー指定を受けています。大鵬薬品とCullinan Oncologyは、2022年の下半期にもう一本重要な臨床試験を開始する予定です。
【大鵬薬品について】
大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」、「泌尿器」の3領域に注力する研究開発型スペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外においても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える製品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jpをご参照ください。
【Cullinan Oncologyについて】
Cullinan Oncology, Inc. (NASDAY:CGEM)は、がん患者さんのために新しい標準治療の創造に取り組むバイオ医薬品企業です。当社は、最も有望かつ臨床で検証可能ながん治療を見つけるため、自社創薬だけでなくアカデミアや業界他社との優れた連携を通じて、国境を越えた革新を進めています。さまざまながん適応症への革新的な治療薬を開発するために、免疫腫瘍とトランスレーショナルがん治療に関する深い知識を軸に、低分子化合物や生物学的製剤における自身の科学的卓越性を活用しながら、差別化されたアイデアを生み出し、独自のターゲットを特定し、最適なモダリティを選択しています。私たちは新しい研究モデルを活用し、最も有望な化合物のみを臨床へ、そして最終的には商業化へと迅速に進めるために、厳格な初期実験を適用し、候補化合物の選定からがん治療薬となるまでの従来の限界を押し広げています。その結果、当社の多様なパイプラインは、幅広い治療法において免疫システムを活性化、もしくは主要ドライバー遺伝子を抑制する幅広い化合物で構成されており、それぞれがベストもしくはファーストインクラスになる可能性を持っています。
私たちは、深い科学的専門知識を持ち、オープンイノベーションを追求し、創造性と迅速性を発揮して、がん患者さんに新しい治療法を提供するという約束を果たしています。当社についての詳細は、www.cullinanoncology.comをご覧ください。よろしければLinkedInとTwitterをフォローしてください。
1 American Cancer Society. What Is Non-Small Cell Cancer?. https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/about/what-is.html
2 Konduri et al. (Cancer Discov 2016 6 601)
3 Riess et al. (WCLC2016)
4 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6764748/
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