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第二目標達成のお礼と最終ゴールについて
皆様の温かいご支援のお陰で、第二目標としていた 400万円に到達することができました。ここにきて、さらに多くの皆様に応援して頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。本プロジェクトにご寄付を頂いた方々、応援して頂いた方々に心より感謝申し上げます。
この多くの応援メッセージ、激励のお言葉を胸に、第一目標である「卵巣がんの医療画像のAI解析に、遺伝子的特徴を追加する」研究に加えて、第二目標である「手術により摘出された同一がんの生物学的解析(がんの性格)を追加する事によって、AI が捉えた画像の特徴と“がんの性格”(生物学的・遺伝子的特徴)との関係性を明らかにする」研究に、支援して頂いた寄附金を使用していきます。
時間を要するとは思いますが、必ずやAI 医療ナビゲーションシステムの開発を完成させ、卵巣がんの個別化医療を支援することが可能になると確信しています。
温かい応援と励ましのお言葉のおかげで、いよいよ最終目標(第三目標)である 600万円を目指したいと思います。この最終目標(目標600万円)を達成できた場合には、1つの特徴(医療画像的特徴)から、紐づいている他の特徴(遺伝子的・生物学的特徴)を AI が予想し、取り出すことが可能なシステムの構築を目指します。遺伝子的・生物学的特徴は、薬物療法の作用メカニズムと深く関連しているので、どの薬を選択すると良いかを診断する有用な判断材料になります。
新しい薬物療法の開発はもちろんですが、「がんの性格」から診断や治療効果を予測することで、患者さんごとに最適な治療法を選択出来る“個別化医療”が可能になり、予後の改善や治療負担の軽減に繋がると期待しています。卵巣がんを含めた婦人科がんに苦しむ患者さんが、自分にいちばん合った治療を選択できる未来をめざして、その一歩となる研究と考えています。
このプロジェクトを通して、皆さまと繫がることが出来たこと、心より感謝致します。支援期間も残りわずかとなりました。少しでも最終目標に近づけるよう頑張りますので、最後まで、本プロジェクトの応援を宜しくお願いします。
2022年3月24日
広島大学大学院医系科学研究科 産科婦人科学
古宇家正
卵巣は女性ホルモンや排卵などにかかわる臓器で、「卵巣がん」などの病気は、妊娠・出産といった女性のライフプランへも直結するため、的確な診断や治療の向上など、さらなる改善が切望されています。
卵巣がんは進行してから見つかることも多いため、女性生殖器の悪性腫瘍(がん)の中で、最も生存率が低い病気 * です。将来、患者さんの生存率を高めるためには、一人ひとりに応じて最適な治療法を提案する「個別化医療」も欠かせません。
(* 国立がん研究センターがん対策情報センター. がん情報サービス. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
今回のクラウドファンディングでいただくご寄附をもとに、卵巣がんの個別化医療を目指して、CTやMRIといった医療画像から“がんの性格”を説明できる、新たな人工知能 (AI) 診断・治療予測システムの構築を進めます。皆さまのご寄附と応援を、よろしくお願いいたします。
(注)“がんの性格”とは?
例えば、腫瘍組織の形状、腫瘍組織の固さ(コラーゲンなどの細胞外マトリックスの配向・蓄積度などから予想)、血管・リンパ管の集積度、遺伝子の病的な変化、発現している遺伝子など、がんの特徴を把握でき、治療の方針を決めるにあたって有用な情報のことを指します。
卵巣がんの新たな治療戦略の開発を目指して
はじめまして、広島大学大学院医系科学研究科 産科婦人科学 講師の古宇家正(こう いえまさ)と申します。
私は医学部を卒業後、広島大学病院で研修を行い、分娩に興味があったため産科婦人科医になりました。その後、分娩だけでなく、子宮や卵巣などの女性生殖器に発生する悪性腫瘍(がん)を診る機会が増え、私は現在「婦人科腫瘍」を専門分野としています。
卵巣がんの患者さんは、進行した状態で受診されることが多く、手術療法と薬物療法(抗がん剤など)の集学的治療が必要です。薬物療法の進歩により、初回治療の効果は向上しましたが、進行した卵巣がんの患者さんは再発することが多く、依然として予後が悪い疾患です(出典1-4)。これまでに多くの卵巣がんの患者さんに向き合う中で、治療が難渋することを痛感しています。
卵巣がんの患者さんの治療中に、抗がん剤が効かなくなること(薬剤抵抗性、といいます)を経験します。「どうにか薬剤抵抗性を克服できないか」「再発しない期間を少しでも長く維持できないか」、との想いが強くなり、現在の「卵巣がん」研究につながっています。
今回我々は、卵巣がんを対象にして、国内外でもこれまで確立されていない「医療画像から“がんの性格”を説明できる、人工知能 (AI) を用いた新しい診断・治療効果予測システムの構築」に挑戦し、個別化医療を目指します。
本研究は、新規薬剤の開発ではなく、複数の分野が協力してシステムを構築するという大きなテーマであるため、企業などからの支援も受けにくく、研究費の確保が難しいため、このたびクラウドファンディングへ挑戦します。皆さまからいただくご寄附は、卵巣がんの患者さんに対して行った検査の医療画像や、手術によって摘出された卵巣がん組織の解析などをもとにした、「人工知能(AI)を用いた診断・治療効果予測システムの構築」のため、活用させていただきます。
皆さまのご寄附と応援を、よろしくお願いいたします。
早期発見と治療が難しい「卵巣がん」
日本において卵巣の悪性腫瘍(“卵巣がん”などの悪い病気)は増加傾向にあり、卵巣がんと診断される患者さんは年間で10,001 人(2014年)と報告されています(出典1, 2)。卵巣の悪性腫瘍による死亡者数は年間で 4,784人(2018年)と横ばいですが、女性生殖器(子宮や卵巣など)の悪性腫瘍の中で最も死亡者数の多い疾患です(出典1, 2)。日本では、卵巣の悪性腫瘍のうち90%以上は上皮性すなわち卵巣がんです。(出典1, 3)。
卵巣がんは、婦人科がんの代表的な疾患の一つですが、有効な検診が無く、初期には自覚症状に乏しいことから、40%以上が進行した状態(ステージIII期以上)でみつかります(出典1, 4)。お腹の張り(腹部膨満)、食欲低下などの自覚症状や、腹部超音波などの検診で偶然見つかることが契機になっています。
さらに、進行した卵巣がんは再発することも多く、予後は不良です(5年相対生存率 III期:48.2%、IV期:30.5%)(出典4)。再発の時期は治療後2年以内が多く、特に進行癌(III・IV期)では、2年以内には約55%、5年以内には70%以上が再発するとされています(出典5)。
現在、卵巣がんと診断された場合は、手術療法と薬物療法(標準化学療法は、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法)の集学的治療を行います。近年の分子標的薬の開発や遺伝子検査の実用化により、薬物療法に大きな変化が起こりつつあります(出典6-9)。しかし、依然として再発率は高く、予後不良な疾患であるため、更なる治療戦略の開発が求められています。
特に、治療の最初のころは薬物療法(抗がん剤を用いる治療)がよく効いていても徐々に効かなくなったり、あるいは最初から効果がなかったりと、薬剤抵抗性を獲得するため治療に難渋することも多く、一人ひとりのがんの特徴に応じた治療(個別化医療)が必要です。
一人ひとりの“がんの性格”を研究し、診断と治療予測に活用できる人工知能(AI)の開発を
卵巣がんの診断においては、まずは組織を採取し、その組織学的な特徴、遺伝学的背景、生物学的な特徴を個々の患者さんごとに評価することが、個別化医療につながります。現在は、遺伝子変異などに基づいて治療薬が選択され始めており、この点では個別化医療が行われつつあります。
卵巣は腹腔内(お腹の中)にある臓器で、手術を行わないと組織を採取することが難しい疾患ですが、近年は画像検査や遺伝子検査などの検査技術が進歩しており、腫瘍の特徴を様々な視点から捉えられるようになってきています。
私たちのこれまでの研究
私たちは、画像検査(CTやMRI画像検査)で撮影された医療画像から、これまで把握できなかった“がんの形状や質感”、“人間の目では判定できないがんの特徴”を抽出する研究(Radiomics研究)を進めています。(出典11)この方法により、画像から数千種類の画像情報を取り出すことが可能になりました。
これらの膨大な画像情報と治療後の効果との関係を、人工知能(AI)を用いて学習させることにより、治療前の画像から治療効果を予測することに成功しました。これにより、「治りにくいがん」と「治りやすいがん」を明確にすることが可能になりました(出典12)。
しかしながら現実的な医療応用を考えた場合、「AI が医療画像から抽出したがんの特徴は、どのような“がんの性格”(生物学的 *・遺伝子的特徴 **)に対応しているのか?」に関して明確になっていないため、幅広い医療現場での適用には大きな課題が残されているのが現状であります。この度の研究では、「医療画像から、AIを使って“がんの性格を説明する”(説明可能なAI)」技術の確立を目指しています。
*生物学的特徴:がん組織を構成する細胞・構造物(例えばコラーゲンなど)とその形態
**遺伝子的特徴:ヒトの設計図である遺伝子の変化
私たちがこれから行う研究
診断・治療予測が困難である卵巣がんを対象にして、未だ確立されていない「医療画像から“がんの性格”を説明できる、人工知能 (AI)を用いた新しい診断・治療予測システムの構築」に挑戦します。
まずは第一ゴールにて手術前に撮影した卵巣がん画像のAI解析に、“がんの性格その1”である「遺伝子的特徴」を追加する事によって、より深い解析を可能にします。
さらに第二ゴールにて、「遺伝子的特徴」にプラスして、手術により摘出された同一がんの生物学的解析(“がんの性格その2”)を追加する事によって、AI が捉えた画像の特徴と“がんの性格”(生物学的・遺伝子的特徴)との関係性を明らかにします。
この「遺伝子的特徴」と「組織の生物学的特徴」は、これまでの医療画像のRadiomics解析では利用されてきませんでしたが、どちらも患者さん毎に大きく異なることが知られており、各々の“がんの性格”を表す情報を多く含むため、より深い解析を可能にします。
医療画像的な特徴・遺伝子的特徴・組織の生物学的特徴は、全て情報量が莫大なため、我々人間では処理しきれませんが、情報処理が得意なAIで解析することで、 医療画像から抽出できる画像の特徴に“がんの性格”(遺伝子的・生物学的特徴)を紐付け、相互の関係性を明らかにすることができます。
こうして多くの患者さんに対し、医療画像から抽出できる画像の特徴に“がんの性格(遺伝子的特徴・生物学的特徴)”を紐付け、解析して収集すると、多くの卵巣がんの状態・性質を知ることができます。
もちろん、厳密には患者さんは各々異なりますが、沢山の例を調べることで、卵巣がん患者さんに見られるパターンを明らかにできます。
最終ゴールの第三ゴールにてこれらのパターンをAI解析システムに組み込むことにより、AIは1つの特徴(この場合は医療画像的特徴)を入れると、紐づいている他の特徴(遺伝子的・生物学的特徴)を予想し、取り出すことが可能になります。遺伝学的・生物学的特徴は、抗がん剤の作用メカニズムと深く関連しているので、どの薬を選択すると良いかを診断する有用な判断材料になり、最終的に「医療画像を提示するだけで“がんの性格”に基づいた診断(治療法・治療薬の選択)を可能にする、新規AI診断・治療予測システムの構築」が可能になると考えています。
このAI診断・治療予測システムが確立できれば、一人一人の患者さんに最適な治療法の選択が可能になる、個別化医療が現実となります。
このシステムを成功させるには、まずは多くの医療画像的特徴と“がんの性格(遺伝子的特徴・生物学的特徴)”の関係性を収集し、卵巣がん患者さんのパターンを多くAIに学習させることで、紐付いた“がんの性格(遺伝子的特徴・生物学的特徴)”の予測精度を高くすることが必要です。
しかし、これまで誰もこのような取り組みを行っていないため、医療画像的特徴や“がんの性格(遺伝子的特徴・生物学的特徴)”を全て含んでいるサンプルは、取得された例がありません。
本プロジェクトの支援により、我々は独自にこれらの情報を集め、独自の診断・治療効果予測システムの構築を創ることを目指します。
卵巣がんの患者さんが、自分にいちばん合った治療を選択できる未来をめざして
本新規システムが完成すれば、進行した卵巣がんに対して患者さんごとに最適な治療法を選択出来る“オーダーメイド医療”が可能になり、予後の改善や治療負担の軽減に繋がると考えています。
その一歩となる本プロジェクトへ、応援どうぞよろしくお願い致します!
プロジェクトメンバー
本予測システムの構築プロジェクトは、既に広島大学内の教員がチームを形成し研究・開発に着手しており(倫理委員会の承認済み)、本クラウドファンディングでの資金調達により、プロジェクトを早く進めることができます。広島大学の霞・西条キャンパスの教員が共同で協力しながら、広島大学病院において、卵巣がんに対する新しい診断・治療予測システムの確立に取り組んでいます。
● 研究代表
工藤 美樹
広島大学大学院医系科学研究科 産科婦人科学
卵巣がんは、近年分子標的治療薬の開発や遺伝子検査の実用化により治療選択が増えている疾患ですが、依然婦人科がんの中で最も予後が不良であり、新規治療開発が求められています。初回治療中に化学療法が効かなくなることや再発した時に化学療法抵抗性となっている卵巣がんをしばしば経験します。また早期診断も困難であり、進行した状態で見つかることが多く、全身状態が悪い患者さんも多くおられます。新しい薬物療法の開発はもちろんですが、がんの生物学的・遺伝子的特徴から診断や治療効果を予測することで、患者さん個々の治療を選択する個別化医療は患者さんの負担を軽減し、予後改善につながることが期待されます。
私たちのプロジェクトは、卵巣がん患者さん個々の生物学的・遺伝子的特徴の違いを、人工知能 (AI) によって医療画像から捉えた腫瘍の特徴量として抽出することです。その結果から構築した AI医療ナビゲーションシステムを用いた個別化医療は、予後改善に貢献可能な革新的なシステムとなるはずです。これは産婦人科医だけではなく、放射線腫瘍学、基礎生物学、細胞分子生物学などの幅広い分野の専門家が一つのチームとなって初めて実現可能なプロジェクトです。この革新的なシステムの開発を進めるにあたってご支援いただけましたら、大変心強く思います。皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
● 事務局(主担当)
古宇 家正
広島大学大学院医系科学研究科 産科婦人科学
卵巣がんに苦しむ多くの患者さんと接するなかで、薬物療法への抵抗性を獲得する仕組みを解明し、新たな治療戦略を見つけたいと考えていました。今回の研究は、プロジェクトメンバーや患者さんを含め、多くの人たちに出会い、立ち上がったプロジェクトになります。様々な課題はありますが、システムの開発は卵巣がんにおける個別化医療の発展、患者さんの予後改善につながる、とても意義のある挑戦だと考えています。是非とも皆様の温かいご支援を心よりお願い申し上げます。
菊池 裕
広島大学大学院統合生命科学研究科 基礎生物学プログラム
本クラウドファンディングにおいて、菊池と高橋は生物学的解析部分を担当します。私達は、広島市の隣にある広島大学東広島キャンパスで、基礎生物学の研究を行っています。基礎研究で養った経験と知識を、「卵巣がんの診断と治療に役立つ新しいAI予測システムの構築」のため、十二分に活用して努力する所存です。よろしくお願い致します。
河原 大輔
広島大学病院 放射線治療科
私は医学物理士という立場で臨床業務に従事しながら臨床に有用なシステム開発を行っています。近年は人工知能(AI)が注目されており、様々な分野で活躍しています。我々は医療に役立つものとして治療予後解析でAIは活躍できると確信しており、複数の大学と共同研究を行っております。
本プロジェクトでは卵巣がんの注目し、古宇先生を中心に産婦人科の先生方から臨床的な知見、菊池先生を中心とした統合生命学科より生物学的な事象に関する知見を集約して、AIがこれら膨大な情報を結び付けることにより患者さんの予後を改善するための挑戦をしたいと思います。皆さまの温かいご支援をお願いできればと思います。
<担当>
広島大学大学院統合生命科学研究科 基礎生物学プログラム 高橋 治子
広島大学病院 放射線治療科 西淵 いくの
広島大学大学院医系科学研究科 細胞分子生物学 高橋 陵宇
広島大学病院 産科婦人科 関根 仁樹
広島大学病院 産科婦人科 友野 勝幸
応援メッセージ
永田 靖
広島大学大学院医系科学研究科 放射線腫瘍学 教授
癌治療は3本の柱(放射線治療、手術療法、薬物療法)で支えられています。
広島大学病院放射線治療科は産婦人科とカンファレンス等で密接に連携してお
り、患者さんにとって最適な治療法を日々検討しています。
一方で近年の機器開発に伴い多量の画像や検査データを取得することができる
ため、これらをどのように取り扱うかは医療における大きな課題です。このよ
うな多量のデータ、いわゆる“ビッグデータ”を扱うため、我々は放射線治療にAI技術を導入して治療の反応に関わる因子を見つけ出し、患者さん個々の治療効果を推定するモデルの開発に取り組んできました。最近ではこの研究を発展させて診療科の垣根を越えた共同研究も積極的に進めております。これまでの実績からAI技術は患者さんの個々を見据えた診療に貢献するものと確信しております。
このプロジェクトでは様々な診療科の医師に生物研究者と物理研究者とを加えた新たな研究チームを発足してAIによる医療ナビゲーションを開発するとのことで、広島大学が誇る最高の医療と知識、最新の技術が結集されることと大変期待しております。皆さまの温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
檜井 孝夫
広島大学病院 遺伝子診療科 教授
がんは遺伝子の変化が蓄積して起こる病気であり、近年、保険診療で多くの遺伝子検査が可能となりました。2020年から遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の「遺伝学的検査」が保険診療となり、がん発症前に卵巣を切除するリスク低減手術や新しい抗がん剤(PARP阻害剤)が使えるようになりました。また、標準治療が効かなくなった場合、がんゲノム医療で行う「がん遺伝子プロファイリング検査」によって新しい治療法を見つけることが可能となりました。
今回のプロジェクトでは、卵巣癌に対して医療画像と人工知能 (AI) を駆使した新しい診断・治療効果予測システムの構築に挑戦し、予後不良の卵巣癌を個別化して治療することで、治療成績の向上につながる画期的な研究です。これまでに工藤教授・古宇先生の研究チームと私共とで行なった卵巣癌関連遺伝子に関する共同研究でも高い評価を受け、この領域での十分な実績がありますので、今回のプロジェクトでも素晴らしい成果が得られることが期待できます。皆様の温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
田原 栄俊
広島大学大学院医系科学研究科 細胞分子生物学 教授
卵巣がんは予後が非常に悪く、多くの場合、発見時にはすでに進行している状態であるため十分な治療を行うのが難しい症例の1つです。今回の早期診断技術の開発では、「人工知能を利用して」ヒトの目ではほぼ不可能な画像解析と、ヒトの手でしかできない「腫瘍細胞の解析」を組み合わせることがポイントです。本プロジェクトにより、超早期のステージにおいて適切な治療方法の選択を可能にする画期的な診断技術の開発が期待されます。学術的な成果よりも、本症例に苦しむ多くの患者の方に少しでも貢献しようとする古宇先生達に深く共感しています。本研究を進めるにあたって御支援いただけましたら、大変心強く思います。皆様の温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
有廣 光司
広島大学病院 病理診断科 教授
卵巣がんは、早期診断が難しい疾患です。診断のためには病理組織学的な評価が欠かせません。また、組織系の多様性のために腫瘍の悪性度も複雑ですが、組織系や広がりによって治療も変わります。そして、近年は細胞分子生物学や遺伝子学に基づいた疾患の理解と治療が深められています。実際に、遺伝子検査の実用化により治療選択が増えています。
患者さんの治療において、病理組織学的評価はとても重要ですが、今回のプロジェクトの目的である、医療画像からがんの生物学的・遺伝学的特徴を判断し、診断や治療効果を予測する AI 医療ナビゲーションシステムの開発は、卵巣がんの個別化治療を支援する革新的な研究です。
このプロジェクトでは様々な領域の専門家が集結して取り組んでおり、素晴らしい成果が得られることが期待できます。皆様の温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。
馬庭 恭子
ウイメンズ・キャンサー・サポート(婦人科がん患者会)代表世話人
早期発見が難しい卵巣がんとの出会いは、多くの女性たちのなぜ、いま、私がという問いからはじまります。がん検診で見つかることは稀有で、ある日、突然という不安と悲しみの渦のなかで、長く病と向き合っています。
今回のチャレンジである<新たな人工知能診断・治療予測システムによる個別化治療>は私たちの<希望>です。
このチャレンジの結果が、ひとりでも多く、ひとりでも早く、女性たちにいままでの人生を取り戻し、自分自身を生き直す機会が与えられることを心から待ち望んでやみません。
高澤 篤之
医療法人社団まりも会 ヒロシマ平松病院 院長
卵巣がんの早期診断と治療を可能にするAI医療ナビゲーションの開発。従来早期診断が難しいと言われる卵巣がんですが、今回のプロジェクトにより早期診断が可能となれば大変有意義であることは間違いありません。また、このプロジェクトがクラウドファンディングで行われることで、医療界のみならず多くの人の力で進められていることも素晴らしいことです。アメリカや中国がAI開発で世界をリードしているのに対し、日本の医療領域では資金不足や法規制がネックとなり出遅れていると言われています。その一方で日本の医療水準は高く、そのデータを使いAI開発を進めることで日本独自の新しい医療用AIができる可能性があります。このプロジェクトの成功が、多くの女性の助けとなり、さらなる医療の発展につながることを期待しています。
今回いただくご寄附の使途/プロジェクト実施内容の詳細
第一目標金額 200万円
・網羅的遺伝子発現解析費、組織解析のための費用、消耗品費など 167万円
・クラウドファンディング手数料など 33万円
●プロジェクト実施期間
2022年4月〜2025年3月
●プロジェクト実施内容
このクラウドファンディングで集まったご寄附をもとに、2025年3月31日までに、医療画像から“がんの性格”を説明できる、新規人工知能 (AI) 診断・治療予測システムの構築に向けた研究を実施することをもって、本プロジェクトの終了とさせていただきます。
なお、今回のプロジェクトでは第一目標金額達成後も、ご寄附いただいた金額に応じて、下に示すように研究活動を展開してまいります。
本クラウドファンディングページ記載における参考文献
1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版. 金原出版, 東京, 2020
2. 国立がん研究センターがん対策情報センター. がん情報サービス. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/symmary.html
3. 榎本隆之. 日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告. 2017年度患者年報. 日産婦誌2019;71:669-724
4. 榎本隆之. 日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告. 第59回治療年報. 日産婦誌2018;70:1372-444
5. Heintz AP, Odicino F, Maisonneuve P, Quinn MA, Benedet JL, Creasman WT, et al. Carcinoma of the ovary. FIGO 26th Annual Report on the Results of Treatment in Gynecological Cancer. Int J Gynaecol Obstet 2006;95(Suppl 1):S161-192
6. Moore K, Colombo N, Scambia G, Kim BG, Oaknin A, Friedlander M, et al. Maintenance olaparib in patients with newly diagnosed advanced ovarian cancer. N Engl J Med 2018 ; 379 : 2495-505
7. Ray-Coquard I, Pautier P, Pignata S, Pérol D, González-Martín A, Berger R, et al. Olaparib plus bevacizumab as first-line maintenance in ovarian cancer. N Engl J Med 2019 ; 381 : 2416-28
8. Coleman RL, Fleming GF, Brady MF, Swisher EM, Steffensen KD, Friedlander M, et al. Veliparib with first-line chemotherapy and as maintenance therapy in ovarian cancer. N Engl J Med 2019 ; 381 : 2403-15
9. González-Martín A, Pothuri B, Vergote I, DePont Christensen R, Graybill W, Mirza MR, et al. Niraparib in patients with newly diagnosed advanced ovarian cancer. N Engl J Med 2019 ; 381 : 2391-402
10. Ozols RF. Systemic therapy for ovarian cancer:current status and new treatments. Semin Oncol 2006;33(Suppl 6):S3-
11. Kawahara D. et al. Front. Oncol. 2021 Aug 1;94(1124):20210525.
12. Kawahara D. et al. Front. Oncol. 2021 Jan. 11;10:569461.
免責事項
・寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの支援獲得のPRのために利用させていただく場合があります。
・本クラウドファンディングは、卵巣がんを対象とした新規人工知能 (AI) 診断・治療予測システムの構築に挑戦する研究に対してご寄附をお願いするものです。本クラウドファンディングでいただくご寄附をもとに研究を進めてまいりますが、必ずしも想定した結果が得られるとは限りません。
・本プロジェクトへのご寄附は、開発段階の臨床研究などへの参加への優遇するものではございません。ご寄附と臨床研究などへの参加は関係ございませんので、予めご了承ください。
・ 本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
税制上の優遇措置について
広島大学へのご寄附に対しましては、確定申告を行うことにより
税制上の優遇措置が受けられます。
(詳細はこちら:https://www.hiroshima-u.ac.jp/iagcc/katudou/kifu/tax)
なお、寄附金領収書はREADYFOR株式会社を通じて寄附金が広島大学に入金された日付で発行いたします。広島大学への入金は募集終了の翌々月になりますので、税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
(例)募集期間が2022年3月31日までの今回のプロジェクト:
寄附金領収書の日付は、2022年5月の日付となります。また、寄附金領収書の発送は2022年6月の予定となります。
【個人の皆様】
◎税制上の優遇措置
1. 所得税の寄附金控除
寄附された年の課税所得から控除を受けることができます。
【例1: 年収700万円、配偶者、子ども2名の家族構成の方が、本学へ50,000円寄附された場合】
所得税率 10%
所得税の軽減額 =(50,000円 – 2,000円) × 10% = 4,800円
【例2: 年収500万円、配偶者、子ども2名の家族構成の方が、本学へ50,000円寄附された場合】
所得税率 5%
所得税の軽減額 = (50,000円 – 2,000円) × 5% = 2,400円
上記の金額はあくまでも目安です。
実際には、収入金額や家族構成のほか、各種の所得控除等により軽減される金額は異なりますので、ご注意ください。
※寄附金額は、総所得金額等の40%が上限です。また、所得税額控除額は、その年の所得税額の25%が上限です。
※収入金額や家族構成のほか、各種の所得控除等により軽減される金額は異なりますので、ご注意ください。
2. 個人住民税(道府県民税・市町村民税)の寄附金税額控除
寄附された翌年の個人住民税から控除を受けることができます。
税額控除額 = ( 寄附金額 – 2,000円 ) × 控除率
※寄附金額は、総所得金額等の30%が上限です。
※控除率は、以下のとおりです。
都道府県から指定を受けた場合の控除率 4%
市区町村から指定を受けた場合の控除率 6%
都道府県・市区町村の両方から指定を受けた場合の控除率 10%(4% + 6%)
【例1: 広島県東広島市にお住まいの方が、本学へ50,000円寄附された場合】
税額控除額 = (50,000円 – 2,000円) × 10% = 4,800円
(県民税:1,920円、市民税:2,880円)
【例2: 広島県A市にお住まいの方が、本学へ50,000円寄附された場合】
税額控除額 = (50,000円 – 2,000円) × 4% = 1,920円
(県民税:1,920円)
◎個人住民税の税額控除を受けることができる方
寄附された年の翌年1月1日現在、指定団体(※)にお住まいの方は、
個人住民税の寄附金税額控除の適用を受けることができます。
※指定団体について
本学に対する寄附金を寄附金税額控除の対象として条例で指定している
都道府県・市区町村
(広島県、東広島市、広島市、福山市、三原市、廿日市市、北広島町)
今後、上記の地方団体以外からも指定を受ける可能性がありますので、
お住まいの市区町村へお問い合わせください。
【法人の皆様】
寄附金の全額を損金算入することができます。
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