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日本のモノづくりを伝えたい
〜「タオルの帽子」(MAYA MAXX氏制作)書籍化計画〜 

 

|ごあいさつ 

 

はじめまして、「タオルびと」制作プロジェクト代表の辻智佐子(城西大学)です。

 

 

地域の皆さんに支えられた「タオルびと」の10年でありますが、10周年を迎え、後継者不足やグローバル競争の激化など数々の問題を抱えるタオル業界に何か恩返しができないかと思い、このたびタオルにまつわる絵本の制作につながりました。 

 

全国の皆さんに絵本の物語を公募したところ102作品が集まり、大賞に選ばれた「タオル帽子」を原案とした「タオルの帽子」がデジタル絵本として完成しました。このデジタル絵本を、末長く広い世代に手にとれる形で残したいという思いから、このたび書籍化を計画しました。何卒、よろしくお願い申し上げます。  

 

 

|タオル(Towel)

 

タオルはわたしたちの日常生活に欠かせない消費財ですが、単なるモノではありません。「たかがタオル、されどタオル」です。産まれた時、死ぬ時、そこにはいつもタオルがあります。幼いころ肌身離さず持っていたタオル、機能的に優れているだけでなく、肌に気持ちよいタオルは、大げさに言えば、人生に不可欠なモノです。そのようなタオルを題材にしたストーリー(物語)を2021年4月1日から7月31日で募集したところ全国からたくさんの作品が寄せられ、その中から「タオルびと」賞3作品、審査員賞3作品、MAYA MAXX賞1作品が決定しました。 

 

 

受賞作品発表についてはこちらをご参照ください。

 

MAYA MAXX賞に選ばれた「タオル帽子」はMAYA MAXX氏によって「タオルの帽子」と題したデジタル絵本となり、期間限定で今治市立図書館のホームページにて公開しました。今回のデジタル絵本の書籍化には「タオルびと」制作プロジェクトの活動記念の意味合いもありますが、タオルが一人の人生に寄り添い生きる力を与えたことを知っていただくとともに、色柄・形を変え皆さんの生活に不可欠なタオル、そのタオルをつくっている産地にも注目していただきたいとの思いも込められています。 

 

 

|タオル産地

 

愛媛県今治市周辺地域は、江戸時代からつづく綿織物産地です。現在は、タオル産地として有名であり、大阪府泉佐野市周辺地域(泉州タオル)と並んで日本のタオルづくりを支えています。タオルは、1872年にイギリスから日本に輸入され、当時は贅沢品として上流階級の間でマフラーに使用されていましたが、そうした高価なタオルを職人たちが試行錯誤を繰り返し、市民の手の届く商品となり普及してきました。現在でも職人たちの手で改良され、進化しています。

 

「タオルびと」

「タオルびと」は、戦後から現在において今治市周辺地域でタオルづくりに携わっている人びとにインタビューし、その内容を活字化して「オーラルヒストリー」(口述歴史)として資料保存することを目的に、2012年11月に発足しました。そして、資料保存にとどまらず、情報化社会にふさわしく、活字化したものをなるべく多くの皆さんに読んでもらえるように、2012年11月16日から今治市立図書館のホームページより「タオルびと」としてデジタル配信しています。11月16日は、今治のタオルづくりの礎を築いた阿部平助の命日です。 

 

 

タオルの製造に携わる人びとがどのような経緯でタオルづくりに従事し、どのような思いでタオルをつくり続けているのかなどについて、「タオルびと」をとおして知っていただければ幸いです。ぜひ「タオルびと」のサイトもご覧ください。

 

 

今治市立図書館ホームページ「タオルびと」コーナー

 

※今治市立図書館より許諾を得て掲載しております。

 

 

「タオルびと」のロゴマークは、瀬戸内の穏やかな波とタオルのパイルを

イメージしたものです。10 のパイルは「十人十色」の意味です。      

 

「タオルの帽子」

原案の「タオル帽子」を手掛けたのは今治市在住の伊藤幸恵氏です。伊藤氏は、現在、すまいるの会(東予がん患者と家族の会)の代表を務めており、10 年前から手作りのタオル帽子をがん患者に無料で届けています。このたびの「タオル帽子」は、ご自身の体験を題材にタオルへの思いを文章に綴ってくれました。 

 

 

 

審査員を務めたMAYA MAXX氏がこの作品にインスピレーションを受け、人間の心に訴えるタオルの絵本を作成いたしました。完成した絵本は2022年3月13日(日)午後5時から4月12日(火)午後5時まで今治市立図書館ホームページにて無料公開しました。 

 

◎あいテレビが、伊藤氏を取材した様子をYouTubeにて公開していますので、こちらからご覧ください。

【がん闘病経験が絵本に 「タオルの帽子」 】

 

◎今治CATVが「タオルびと」絵本プロジェクト受賞式を取材してくれました。受賞式の様子や、MAYA MAXX氏と伊藤氏のインタビューの様子をYouTubeにて公開していますので、こちらからご覧ください。

「タオル」にまつわる絵本原案募集 受賞作品表彰・完成絵本発表会 2022. 3 .16放送 】 

 

 

(左)MAYA MAXX 氏 (右)伊藤 幸恵 氏

 

プロジェクトで実現したいこと

 

・期間限定でデジタル配信していた「タオルの帽子」を書籍化し、「タオルの帽子」をたくさんの方に読んでもらいたい

・「タオルびと」を知っていただき、今治のタオルづくりに興味を持っていただきたい

 

「タオルの帽子」は、生と死という人間にとって永遠のテーマを取り上げた絵本です。一般に絵本といえば、子ども向けの楽しくハッピーエンドのストーリーをイメージしますが、「タオルの帽子」は経験に基づく人生観や世界観が描かれた哲学書のような内容になっています。この意味で、従来の絵本の概念を変えるかもしれない絵本とも言えます。それゆえに、広く多くの方にぜひ読んでいただきたいです。 

 

同時に、この絵本を企画した「タオルびと」制作プロジェクトにも興味を持っていただく機会となれば嬉しいです。どんな人がどのような思いでタオルをつくっているのか。それを知れば、きっとMade in Japan(日本製)のモノがなぜすごいのかがわかると思います。

 

寄付金で書籍化された絵本の一部は、全国のがんセンターをはじめ、愛媛県内の公立図書館、今治市内の小中学校に寄贈を行う予定です。※寄贈先には、今回寄贈する物品の受け入れとクラウドファンディングのストーリーに公表されることに関しての同意を得ております。

 

|世界的に活躍するMAYA MAXX氏制作による絵本 

 

MAYA MAXX氏 プロフィール


1961年生まれ。愛媛県今治市出身の画家、絵本作家、アーティスト。1985年早稲田大学教育学部卒業後、絵の世界に飛び込む。1993年に初個展「COMING AND GOING」を開催し、MAYA MAXXとして活動を開始。個展開催のほかワークショップ活動や絵本の刊行も多数。2020年春、北海道岩見沢市の美流渡地区に拠点を設け、新しいプロジェクト「Luce(ルーチェ)」をスタートさせる。CDジャケットや書籍の挿画、コマーシャルフィルムなどにイラストを提供するなど幅広い活動を続けている。

 

今回の企画においてMAYA MAXX氏には、選考から絵付・テキスト作成まで多大なご協力をいただきました。本気の絵本です。この絵本を書籍化し、後世に長く読み継がれるように手に取れるかたちで残したいと考えました。ぜひ「タオルの帽子」の書籍化にご賛同ください。 

 

▼絵本の一部紹介  …  ナレーション : MAYA MAXX

 

 

応援者メッセージ

 

MAYA MAXX氏

 

 

この絵本は 

 

生まれてから死ぬまでいつも何気なくそばで人を癒しているタオルの存在を描きました。 生まれてすぐタオルにくるまれ汗や涙をぬぐい、体を拭き、体を横たえる。そして病気や怪我、死の時も人を包んで体だけではなく心も癒すそのタオルはやっぱりふかふかで魂のこもったものを使いたい。その想いを今治に捧げる絵本にしたいと思いました。 

 

この静かな優しい絵本を

 

ぜひ手にとってページをめくって読む『本』にしたいです。本は基本的にはたった一人で読むものです。たった一人で自分の手にとってページをめくるからこそたった一人の感動や想いがこみ上げてくるのだと思います。そして伝わるのだと思います。 

 

皆さんのご協力をよろしくお願いします。

 

 

伊藤幸恵氏

 

MAYA MAXX氏がこの原案(『タオル帽子』)で書きたいと、初の人物画に挑んだ絵本であります。

 

主人公が治療で髪が抜けた頭に、姉の手作りタオル帽子をかぶった瞬間、全身をふわぁーと包まれたような感覚になったのです。

 

タオルの優しさが、ぬくもり・安堵感となり、自分を愛し支えてくれた大勢の手のように思えたのです。そして死を意識した絶望や全身が脱毛したみじめさを忘れ、“生きたい”希望へと心が動いたのです。

 

皆様からの応援を載せて、絵本が実現できた時、読者の絵本の世界観が変わるものと期待できます。

それはきっと、内なる自分を目覚めさせるスイッチとなるでしょう。

 

以下、五十音順

 

有光裕子氏(臨床心理士)

 

「タオルの向こうに人がいる」

このプロジェクトの代表者である辻智佐子さんは、ご近所さんの私に「日本にとって、地域産業が大事」と説き続け、「タオルの出てくる絵本を作ってみない?」と気軽に声をかけてくれるフラットな人です。

 

作品は選ばれなかったけれど、自分にとって身近なタオルを題材に絵本の原案を考える作業は、大袈裟ではなく自分の人生の「あの瞬間」に「タオルの向こう側にいた大事な人」たちを思い出させてくれる、愛おしい時間となりました。  

 

受賞作「タオルの帽子」は癌の宣告を受けた主人公が、タオルの帽子を通して「タオルのむこうにいる人」から注がれた愛情を想起し、慈しむ物語です。  

タオルのむこうに人がいる。タオルを作る人。タオルを届けてくれる人。タオルを差し出してくれる人。そして、タオルを使う私。  

「お金のむこうに人がいる」という本が流行っています。 お金があっても働いてくれる人がいなければ何も買うことができない。有り余るほどお金があっても。 タオルも同じではないでしょうか。お金を持っていても、タオルを作ってくれる人がいなければ、タオルを買うことはできません。  

 

辻さんは教えてくれました。経済という言葉は「経世済民」という言葉から来たと。 「世を経(おさ)め、民の苦しみを済(すく)うこと」経済とは、そのためにあったはずです。 いつの間にか、民を救うどころか、中央集権に都合よく民を動かし、利益を生み出す仕組みを作るための言葉になってしまったのではないでしょうか。

 

今、地域産業の直面している危機は明らかです。  

タオルびとは、効率とコストパフォーマンス重視の大波の中で、今にも埋もれてしまいそうな「タオルのむこうにいる人」への敬意と感謝を思い出させてくれるプロジェクトです。  

 

どうか「タオルの帽子」の書籍化、「タオルびと」にたくさんの方が興味を持ってくださいますように。  

どん底にいるときも、舞い上がりたいほど幸せなときも、大切な人を包み込むタオルが、その価値を知り、ものづくりに共感する人の応援に支えられて作られたものであり続けますように。

 

 

井上昌彦氏(私立大学図書館員)

 

この度は、「タオルびと」絵本の刊行決定、おめでとうございます。今治市の代表的な産業であるタオルをモチーフにした絵本が刊行されますこと、愛媛で生まれ育った私も、非常に嬉しく思います。

 

この絵本で描かれた、タオルを介して伝えられる人の愛に、胸が熱くなりました。 

私ごとですが、私の娘も10年前にがんを患いました。娘は、抗がん治療の最中に髪の毛が抜けることを、本当に辛いと言っていました。そんな辛さをも和らげるタオルの帽子、とても素敵な話だと感じました。

 

書籍の電子化が進んだ現代にあっても、紙の絵本の良さは変わらないと思います。絵本を手に取ることで、人のあたたかさや優しさなど、人が生きる上で大切なものを感じることができます。親子で一冊の絵本を手に取り一緒に楽しむことは、人生においてももっとも豊かな時間かもしれません。 

コロナ禍により、人のつながりの大切さが改めて問われるようになった今、絵本はそれを考えるヒントをくれているのかもしれませんね。

 

大勢の方にこの絵本が届くことを、切に願っています。  

 

 

塩見裕子氏(主婦・読み聞かせボランティア)

 

大人だから絵本が楽しい。絵のむこう側や言葉のむこう側を、経験と重ね合わせながら想像を巡らせる。

タオルが出てくる絵本で思い出すのは『おふろだいすき』松岡享子・作 林明子・絵(福音館書店)。40年前に出版された絵本だけれど、古さを感じない。お風呂あがりに飛び込む大きなタオルの心地よさや安心感は普遍的だと思う。自分がバスタオルに飛び込んだ思い出も、我が子を柔らかいタオルに包んだ思い出もよみがえってくる。

 

大切な本はそばにあってほしい。

柔らかく使い心地のよい今治のタオル。その今治で、タオルにまつわる物語として生まれた『タオルの帽子』は、闘病中も寄り添ってくれた優しいタオルの物語。人生のどんな時も寄り添ってくれるタオルの絵本『おふろだいすき』『タオルの帽子』も本棚に置きたい。   

 

 

西村祐典氏(子育てサポートにじいろえんぴつ代表)

 

今回、タオルびとプロジェクトで審査員をさせていただきました。西村です。普段は、保育現場や読み聞かせなど行う中で絵本に触れる機会は多数あります。100作品以上の素晴らしい作品を見させてもらい、その中で今回選びました。「タオルの帽子」はいつもと違う絵本でした。

この作品のお披露目でもあった授賞式で皆さんの前で読み聞かせをさせて頂きました。初めてこの絵本を開いた時には「なんて前向きな絵本なんだろう。」と思ったことを今でも思い出します。

 

作家でもありますMAYA MAXXさんからは「あなたが想うがまま読んでくださいね。」とお言葉をいただきました。当日は、力強く希望が持てるような気持ちを込めて読ませて頂きました。

タオルは生まれた時からどんな時でも身近にあるもの、またこの絵本の物語のように勇気に変えることもある。タオルの町からタオルの絵本を。原作者の伊藤さんのように勇気を届けることができる作品だと感じております。多くの方にこの「タオルの帽子」が届くよう皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。  

 

 

正岡裕志氏(今治タオル工業組合理事長)

 

皆さん、「こん・に・ち・はー!」今治タオル工業組合の正岡です。

「タオルびと」制作プロジェクト代表の辻智佐子様や今治市立中央図書館の皆様には、「タオルびと」の活動を通じて、地場産業のタオルづくりの思いを全国に発信していただくなど、今治タオルのサポーターとして暖かい応戦をいただき心からお礼申し上げます。

 

また、このたびの「タオルびと」絵本プロジェクト」では、私も審査員の一人として全国から100を超えるすばらしい応募作品を読ませていただき感動するとともに、タオルを使う方にも、それぞれの思い出や物語があることを知ることが出来ました。

その中から、MAYA MAXX賞に選ばれた伊藤幸恵さんの「タオル帽子」がデジタル絵本になり、私も読ませていただき改めて感動しました。

生まれたばかりのかけがえのない命、輝いてはちきれんばかりの赤ちゃんを一番最初に包むのがタオルです。そのタオルの柔らかい肌ざわりとぬくもりは、お母さんに抱かれる感覚に似た癒しとなり、伊藤さんの「生きる勇気や病気と闘う勇気」となったことがすごくうれしく、そのようなタオルを作っている一人として誇らしくもあります。

 

今治タオルの本質的価値は「安心・安全・高品質」な「使い心地」です。私たちタオルメーカー約100社が加盟する組合では、2006年から今治タオルプロジェクトを開始して、多くの皆様にこの価値が伝わり共感を得ることで、地場産業として今もタオルを作り続けることができています。

書籍化された「タオルの帽子」をお子様と手に取り、紙で文章を読むことで、伊藤幸恵さんとMAYA MAXXさんが伝えようとした物語の本質が見えて来ると期待しています。

ぜひとも皆様のご協力をお願いしまーす!!  

 

 

松岡誠子
(地域がん診療連携拠点病院 済生会今治病院 総合医療支援室 医療ソーシャルワーカー)

 

原案者の伊藤幸恵さんとのお付き合いはかれこれ10年になります。当院は愛媛県下で国指定を受けた7か所の『がん診療連携拠点病院』のうちの一つです。当院ががん患者さんとご家族が語り合い学び合う『がん患者家族サロン』を最初に開催したのが、2012年1月の事です。その最初の会の時に伊藤さんも参加してくださり、以後、サロンの事だけでなく、がん患者さんの事についてなど、いろいろとご相談させていただいています。

 

伊藤さんは、ご自身の治療の為だけでなく、『すまいるの会:東予がん患者家族の会』の会員さんの為にいろいろな事を積極的に学び情報収集されており、その姿勢にはいつも頭が下がる思いです。また、新しい事への閃きと、それを実現するための行動力にはいつも驚かされ、私も刺激をうけております。今回絵本の題材になったタオル帽子の制作についても、2013年に一緒に参加した研修会で「がん患者さんの治療の副作用でおこる脱毛にはタオル帽子が最適」という話を聞いた伊藤さんが、「タオル帽子いいんですよ。私も姉が作ってくれてね。今治だしタオルは身近にあるしね・・。私たちがタオル帽子を作って、必要な人に使ってもらえたらいいよね。作る私たちも励みになる。」と話されていたのを今でも鮮明に覚えています。その後、すぐに地域のタオル会社へ訪問されるなど積極的に活動され、その輪の広がりには目を見張るものがありました。

 

現在、タオル帽子はボランティア・市内の中学生等によって丁寧に手作りされており、当院はもちろん市内の多くの医療機関からがん闘病中の方へ製作者の応援エールと共に届けられています。当院でタオル帽子をお渡しする時、がんの体験者や学生さんの手作りである事をお伝えすると、まず驚かれます。そして「うわぁ~。いいんですかぁ~。」と嬉しそうに色とりどりの帽子からお気に召した柄やサイズを選ばれます。多分、がんの療養中で落ち込んだり、辛い思いをされる事が多いでしょうに・・。「これは外出する時に・・」「これは自宅用に・・」と笑顔で選ばれているご様子を見ると、このひと時の為にもこのタオル帽子は大きな意味があると毎回感じます。間違いなくご利用される方は、絵本にあるように「タオル帽子」から「嬉しくて やわらかくて とけてしまいそうな安心感」を受け取り、日々の療養の励みにされていると思います。

 

この絵本は、伊藤さんご自身のがん療養の体験から誕生しました。「がん」と宣告された方の痛みや辛さ・・そして「タオル帽子」で救われたこと・・が、MAYA MAXXさんの絵と言葉から優しく伝わってきて、日々がん患者さんやご家族のご相談を受けている私自身も救われたような気持ちになりました。ぜひ書籍化してこの「タオルの帽子」を、多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。療養中の方には、「自分だけじゃないんだ・・」と、勇気をもっていいただければ・・。そして、身近にがんの体験者がおられない方にも、がん患者さんへ関心をもち、理解を深めていただける好機となりますよう切に願っております。  

 

 

松田朋春氏(プランナー、詩人)

 

世の中はルールやテクノロジーでできているように見えるけど、それだけではスキマだらけのがらんどう。そのスキマをひとの心が埋めていて、どうにかやってこれている。

タオルがどれだけそのスキマを埋めているか、肌触りとともに思いだすような絵本です。

そうか、今治は日本一の幸せの産地でもあるんだな。    

 

 

森勇太(株式会社Lead代表取締役)

 

水を拭い、汗を拭い、涙を拭う。

普段何気なく使っているタオル。

普段何気なく存在している家族。

そんな何気なかった存在が、やさしさでいっぱいに包んでくれる。          

癌宣告を受けた主人公を通じ「タオルの帽子」のストーリーが、普段当たり前に使っていたタオルの偉大さや、やさしさを改めて教えてもらえた気がします。

 

また同時に、普段当たり前にいる身の回りの人が、どれだけ自分にとって大切でかけがえのない存在なのかという事も教えてくれています。

立場は少し違いますが、私達の仕事の一つは残された家族の経済的悲しみを拭う為にあると認識しています。その事も改めて教えてくれる優しさあふれる絵本でした。    

 

 

山本敏明氏(愛媛県繊維染色工業組合理事長)

 

タオルの生産工程は細かな分業によって成り立っていますが、そのうちの染め晒し工程を主に担っているのが染色加工業者です。愛媛県繊維染色工業組合は、こうした染色加工業者の同業者団体です。

タオルの染色加工にはたくさんの水を使います。ここ今治がタオル産地として有名なのは、高縄山系から流れ出る豊かな水に恵まれているからです。この自然の恵みを材料に、職人の手で絵本に登場するふわふわのタオルはつくられています。タオルは、自然と人が生み出した奇跡とも言えます。

 

タオルがみなさんの生活の一部となり、単なる消費財ではなく人生に寄り添うモノであるという「タオルの帽子」のストーリーは、われわれ作り手に「希望」を与えてくれます。

「希望」とあえて述べたのは、染色加工業を取り巻く状況は、環境問題や後継者不足など厳しいものであり、「明日どうなるかわからない」という危機感のなかで、懸命のモノづくりをしているからです。

ふわふわのタオルは今治タオルを象徴する一つの特長ですが、今回の素晴らしい絵本「タオルの帽子」をとおして、多くの方々に作り手の思いが伝わったらいいなと思っています。 

 

最後に

 

「タオルびと」制作プロジェクトの願いは、「タオルの帽子」の絵本をとおして、タオルは単なる使い捨ての消費財ではなく人生を豊かなものにしてくれるモノであり、そんな感動的なモノをどこでどんな人がつくっているのかについて関心を持っていただくこと、にあります。そしてその先には、日本のモノづくりを絶やさないために、わたしたちができることは何かを皆で考えて行動すること、です。 

 

今は亡き尾崎今男さん(「タオルびと」発足のきっかけとなったタオル職人)に初めてお会いしたときに、こう思いました。「人生をかけてタオルをつくってきたんだ」と。こんな職人がいるから、今治のタオルはすごいんです。 

 

現代の名工にも選ばれた尾崎今男氏

 

日本には多くのモノづくりの職人がいます。Made in Japanが世界で高く評価されるのは、尾崎さんのような職人が日本にはたくさんいるからだと思います。しかし現在、タオルをはじめこうしたモノづくりが廃れようとしています。日本人が日本製を買わなくなったことも一つの要因ですが、より深刻なのは後継者不足です。どんなに技術が優れていてもそれを継承する人がいないと技術は廃れ、やがて産業も消えてしまいます。 

 

グローバリゼーションの波は容赦なく、地域産業に影響を及ぼしています。世界規模での分業によって効率が上がるという見方もできますが、地域の経済活動の根幹は第一次・二次産業にあります。なぜならわたしたちは実際のモノを消費することで生かされているからです。グローバリーゼーションの恩恵は確かにありますが、有事になるとその恩恵はたちまち損害に変わります。

 

コロナ禍でわたしたちの生活は変化を余儀なくされましたが、大きなパニックにならなかったのはなぜでしょうか?それは、食料を含め生活に必要なモノが国内である程度供給されているからです。モノをつくっている人たちがいるからです。天災や人災、有事はつねに付きまといます。だからこそ、現在、そして未来の子どもたちのためにも、モノづくり日本を皆さんと一緒に応援したいと切に願っています。 

 

「タオルの帽子」と題した絵本。小さな一歩でしかありませんが、ここからはじめたいと思います。     

 

実行者紹介

 

改めまして、「タオルびと」制作プロジェクト代表の辻智佐子です。数あるプロジェクトの中で目を止めていただき、ありがとうございます。

 

普段は大学で教員をしています。研究分野は経済史・経営史です。大学でも経済史、経営史の講義を担当しています。学生時代から、産業革命を牽引した綿織物産業の歴史を研究テーマとしており、その流れでここ十数年は事例としてタオル工業の歴史研究をおこなっています。タオルは主に綿糸を原料として作られているので、タオルも綿織物になります。

 

現在、日本でタオルの同業者組合が存在しているのは2箇所です。一つは泉州、もう一つは今治です。一時は関東や九州などでも同業者組合があり、国内でたくさんのタオルが作られていましたが、輸入タオルに駆逐されて主に2つの産地を残すのみとなりました(その他、同業者組合はありませんが、タオルを作っているメーカーはあります)。

 

泉州は日本で最初にタオルが作られた地域であり、江戸時代から日本を代表する綿織物産地です。一方の今治も江戸時代から綿織物業に従事し、地域経済を支えてきました。とりわけ今治の綿織物業の歴史に目を向けると、お殿様が出てきたり、クリスチャンが出てきたり、調べれば調べるほど奥が深いです。そんな今治タオル工業の歴史にハマってしまい、そして多くのモノづくりの達人たちにお会いする機会をいただき、歴史研究の延長線上で「タオルびと」の発想を得ました。

 

このアイディアを具現化するにあたり、地元の情報発信基地である今治市立図書館の協力なしにはあり得ませんでした。10年前の2012年、図書館のセンター長、館長、スタッフの皆さんの郷土愛に支えられながら「タオルびと」制作プロジェクトはスタートし、自分の頭に白髪が混じるようになるまで続けられたのは、上記の方々に加え、タオル業界や自治体など産官学の皆さんのご協力のおかげです。

 

地域の皆さんに支えられた「タオルびと」の10年でありますが、10周年を迎え、後継者不足やグローバル競争の激化など数々の問題を抱えるタオル業界に何か恩返しができないかとプロジェクトのメンバーと考え、このたびタオルにまつわる絵本の制作につながりました。末長く広い世代に読んでもらえる絵本を、ぜひ手にとれる形で残したいと思っています。  

 

2022年9月吉日

「タオルびと」制作プロジェクト代表 辻智佐子

  

 

 

 

■目標金額:180万円
■目標金額の使途および実施内容:昨年度原画作成した絵本「タオルの帽子」を書籍化します。
寄付金で書籍化された絵本の一部は、全国のがんセンター(全国がんセンター協議会加盟施設)・愛媛県地域がん診療連携拠点病院をはじめ、愛媛県内の公立図書館や大学図書館、今治市内および近隣の小中高等学校などに寄贈する予定です。また、支援者への返礼品(支援コースによる)としても使用いたします。
※本プロジェクトは、支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、目標金額分を自己負担するなどして、必ず上記の実施内容の通り実行致します。

 

 

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