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私たちに身近なあるお菓子が、医療の分野で活躍し、話題になっています。

 

■子どもの服薬を助ける「ねるねるねるね」

まずは、先月から売り出して反響を呼んでいる商品について、菓子類を販売している「クラシエフーズ」の開発担当者、木下 優さんに伺いました。

クラシエフーズ株式会社・開発担当者 木下 優さん

今回開発したのが、「おくすりパクッとねるねる」という商品でして、お子様がお薬を飲む際に、嫌な味をして飲みづらいっていうような状況があると思います。

その時に服薬を補助できるような商品として開発いたしました。

まず「ねるねるねるね」が、1986年から発売しておりまして、粉と水を混ぜ合わせるだけで、色が変わって膨らむ、ムース状のお菓子になっております。

実際にお医者様から、子供にお薬を飲ませる際に、お菓子の「ねるねるねるね」を使用しているというお声をいただいたことがきっかけで、そこからいろいろ改良をして、服薬補助に適した「ねるねるねるね」の開発に至りました。

粉末用の薬を包み込んで飲む、「おくすりパクッとねるねる」。元々「ねるねるねるね」は、30年以上売られているロングセラー商品で、粉と水を、トレーに出して混ぜ合わせると、ふわふわに膨らむお菓子ですが・・・

<お菓子感覚で服薬補助「おくすりパクッとねるねる」。味は、メロンソーダとイチゴ味の2種。アレルギー表示義務・推奨の28品目不使用となっています>

今回の開発では、薬の効果を低減させないことや、風味の設計などを工夫。

これに、薬を混ぜたり、包んだりして食べると、苦味が解消されて薬が飲みやすくなります。

<トレーの丸い穴に、「ねるねるのもと」を入れます>
<そこに、少量の水を入れて混ぜ合わせると・・・>
<ふわふわ膨らみます。ここに、さらに薬を入れて混ぜ合わせると、飲みやすくなる>

こちらの商品はお菓子ではないので、お菓子売り場ではなく医療品売り場に置かれているので注意が必要です。

 

■最期の食事に選ばれる「ガリガリ君」

さらに、このように医療の現場で活躍している「お菓子」は、他にもありました。

続いては、アイスの「ガリガリ君」。先日、ガリガリ君について、インターネット上で発信した医師のコメントが、話題になったのですが、どんな内容だったのか、永寿総合病院の医師、廣橋 猛さんに伺いました。

 

永寿総合病院 医師・廣橋 猛さん

寝たきりで、飲み込む力もなくて、人工的に点滴だけしてるような患者さんがいらっしゃったんですけれど、「何でもいいから食べさせてくれ」と、すごく強いご希望をその患者さん仰られたんですね。

ただ、もう何かちょっと口にすると、すぐ肺炎を起こしてしまうような、いわゆる「誤嚥による肺炎」ってやつですね、を起こしてしまうような方で。

一般的には病院だと、そういった方にはご飯は絶対食べさせちゃ駄目という患者さんだったんですが、じゃあ「ガリガリ君」だったらどうかなっていう風にその方のご家族に提案して、ひとかけら口に含んでもらったんですね。

その時の患者さんの笑顔が本当にとびきりの笑顔で、すごい美味しいと喜んでくれたんですよ。

私「緩和ケア」を専門にしているんですが、いわゆる「終末期の現場で、ガリガリ君は神のような存在だと。患者さんにとって救いの神だ」とツイートしたらですね、とても反響が大きくて。

色んな反響があったツイートになりました。

廣橋さんは、緩和ケアの専門医として、がん患者を中心に4千人を超える方の最期に携わってきた方です。

終末期を迎えると、食欲がなくなり、味もわかりにくくなっているので、さっぱり、かつ、味がしっかりしているものを好むそうです。

また、アイスは口に含むと少しずつ溶けていくので、水だとむせてしまう人でも、少しずつなら飲み込める。

ということで、ガリガリ君(特に定番のソーダ味)がぴったり!小さく砕いて口に入れると、食べやすいと、重宝されていました。

ガリガリ君は「神」!(赤城乳業の公式サイトから)

 

■メーカー「率直に嬉しい」

廣橋さんによると、この動きは、各地の医師の間で半ば常識になっているぐらい浸透しているそうですが、では、このことを、製造元の赤城乳業は知っているのか。

赤城乳業の、開発マーケティング本部、岡本 秀幸さんに、聞いてみました。

赤城乳業・開発マーケティング本部 岡本 秀幸さん

ちょうどもうタイムリーなんですけども、移植手術をされた方が、食欲がやはり失せてしまった時に、冷たくて甘くて美味しいガリガリ君っていうのが、なぜか食べたくなって、食べたらすごい美味しくて元気になったっていう、感謝の手紙を昨日いただいた。

私が入社した当時、もう13年前位からだと思うんですけれども、そういった声をいただくことは、ずっとあったと聞いております。

味の付いてない氷を削って、シロップと混ぜて固めてる。なので最後にその氷が溶けるので、口の中がさっぱりする。

いろんなところでお役に立ててるんだというところで、これからもガリガリ君をお客様に届けていく使命があるんだなと感じてます。

実は、3年ほど前、先ほどの医師の廣橋さんも所属する「日本緩和医療学会」が、「ガリガリ君」を表彰し、「緩和ケアを受ける患者さんの、生活の質の維持向上に多大な貢献をされた」と感謝状を授与しました。

今では、はじめから一口サイズに砕いてあるガリガリ君を開発して欲しいという声も上がっているそうですが、赤城乳業にこの話をぶつけると、「現状そのような製品を発売する予定はないが、今後検討していきたい」ということでした。

栄養を単にとるだけでなく、食の楽しみも重要ということが、改めてわかりました。

 

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)

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