コロナ後遺症診療の特例、外来包括患者でも算定可！入院調整を外部委託した場合は救急医療管理加算の特例算定NG！—厚労省 | GemMed | データが拓く新時代医療 – 遺族サロン

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2023.5.23.（火）

新型コロナウイルス感染症の「後遺症」診療にかかる「147点の算定特例」などは、外来の診療報酬などが包括される患者についても「別途、算定可能」である—。

コロナ患者の「入院調整」を医療機関自らが実施することを評価する「救急医療管理加算の算定特例」は、入院調整業務を外部委託した場合には算定できない—。

厚生労働省は5月18日に事務連絡「『新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて』にかかる疑義解釈資料の送付について（その4）」を示し、こうした点を明確にしました（厚労省サイトはこちら）。

1 コロナ後遺症治療の「147点算定特例」、外来等点数が包括されている患者でも算定可
2 コロナ患者への療養上指導の「147点算定特例」、外来等点数が包括される患者でも算定可
3 慢性疾患等患者等へのオンライン診療、考え方を明確化
4 コロナ入院調整の救急医療管理加算特例、外部に「調整業務を委託」した場合は算定NG

コロナ後遺症治療の「147点算定特例」、外来等点数が包括されている患者でも算定可

Gem Medで報じているとおり、コロナ感染症は5月8日に「5類感染症」へ移行し、段階的に「幅広い医療機関で対応する」ことになっていきます（関連記事はこちら）。

これに伴って、厚労省は「診療報酬臨時特例の見直し」「施設基準臨時特例の見直し」について詳細を明らかにしています。
【関連記事】
▽入院・外来に関する記事はこちらとこちら（一部訂正記事）
▽高齢者施設、検査等に関する記事はこちら
▽在宅・訪問看護に関する記事はこちら
▽施設基準に関する記事はこちら
▽疑義解釈（その1）に関する記事はこちら
▽疑義解釈（その2、後遺症診療の特例）に関する記事はこちら
▽疑義解釈（その3）に関する記事はこちら

今般の「疑義解釈（その4」では、（1）疑義解釈2で示された「後遺症診療の特例」（2）コロナ患者への「家庭内の感染防止策」「重症化した場合の対応」などの療養上の指導を実施した場合の評価（3）慢性疾患・精神疾患を有する定期受診患者に対して電話・オンライン診療で診療・処方を行う場合の評価（4）救急医療管理加算の算定特例—について医療現場の疑問に答えています。

まず（1）は、新型コロナウイルス感染症から回復したが「罹患後症状」（いわゆる後遺症）が2か月以上続く患者に対し、都道府県の公表する「罹患後症状に悩む方の診療を行っている医療機関のリスト」に掲載されている医療機関が、「罹患後症状のマネジメント（第２版）」を参考とした診療を通じて、今後の診療方針を判断し、必要に応じて精密検査や専門医への紹介を行うなどの適切な治療を行った場合に、3か月に1回、「147点」（B000【特定疾患療養管理料】の「2 許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数）の算定を認める特例です（関連記事はこちら）。

この臨時特例について、今般の疑義解釈（その4）では、外来・在宅の包括点数である▼小児科外来診療料▼地域包括診療料▼認知症地域包括診療料▼小児かかりつけ診療料▼生活習慣病管理料▼在宅時医学総合管理料▼施設入居時等医学総合管理料▼在宅がん医療総合診療料—を算定している患者についても「別途、算定可能である」旨が明示されました。

コロナ患者への療養上指導の「147点算定特例」、外来等点数が包括される患者でも算定可

また（2）は、「入院中以外」のコロナ患者に対し、コロナ診療（往診、訪問診療。電話・オンライン診療を除く）で「家庭内の感染防止策」「重症化した場合の対応」などの療養上の指導を実施した場合に「147点」（B000【特定疾患療養管理料】の「2 許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数）の算定を発症日（無症状者では検体採取日）から7日以内に限って可能とするものです（関連記事はこちら）。

5月8日の5類移行後には、従前の「都道府県等による入院調整」が「医療機関自らによる入院調整」に段階的に移行していきます（関連記事は機能がこちら）。この医療機関の新たな入院調整負担を考慮し、上記の「療養指導を評価する特例」が新たに設けられたものです。

今般の疑義解釈（その4）では、この、新たな「療養指導を評価する特例」についても、外来・在宅の包括点数である▼小児科外来診療料▼地域包括診療料▼認知症地域包括診療料▼小児かかりつけ診療料▼生活習慣病管理料▼在宅時医学総合管理料▼施設入居時等医学総合管理料▼在宅がん医療総合診療料—を算定している患者についても「別途、算定可能である」旨が明示されました。

慢性疾患等患者等へのオンライン診療、考え方を明確化

他方（3）は、慢性疾患・精神疾患を有する定期受診患者に対して電話・オンライン診療で診療・処方を行う場合で、その前から対面診療で「診療計画等に基づく療養上の管理」を行い、「情報通信機器を用いた場合」が注に規定されている管理料等に基づく管理を行う場合に「147点」（B000【特定疾患療養管理料】の「2 許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数）の算定を1か月に1回に限り可能とするものです。

電話・オンライン診療のコロナ特例が、この7月末（2023年7月末）で終了し、オンライン診療の本則に移行していくことも踏まえた、臨時特例見直しの一環です。

この点について、今般の疑義解釈（その4）では上述の「管理料等」とは、「2022年度診療報酬改定以前に『情報通信機器を用いた場合』が注に規定されていた、▼特定疾患療養管理料▼小児科療養指導料▼てんかん指導料▼難病外来指導管理料▼糖尿病透析予防指導管理料▼地域包括診療料▼認知症地域包括診療料▼生活習慣病管理料—を指す」ことが明示されました。この点、以前のGem Med記事に誤りがありました。お詫びして訂正しています。たいへん失礼いたしました。

なお、上記の特例「147点」は、いずれも「B000【特定疾患療養管理料】の「2 許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数」を準用するものです。

今般の疑義解釈（その4）では、上記特例や、その他のコロナ特例における上記点数を準用した「147点特例」について、「診療所、許可病床数100 床以上の病院でも算定可能である」ことを確認しています。