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新型コロナウイルス感染症の治療に当たっては「患者の症状(重症度)」や「重症化リスク」を十分に踏まえ、「対症療法」「薬物治療」「入院治療」などを選択する必要がある—。
重症化リスクの高い軽症患者に薬剤を投与する場合には、まず「パキロビットパック」を選択し、腎機能障害などがある場合には「ベクルリー点滴静注」を、通院による点滴治療が困難な場合には「ラゲブリオカプセル」を、という具合に選択していくことが推奨される—。
厚生労働省は8月21日に「COVID-19外来診療の基礎知識」を公表し、今後、コロナ感染症の外来患者対応を行う医療機関への情報提供を行いました(厚労省のサイトはこちら)。
新型コロナウイルス感染症が5月8日に5類に移行し、外出自粛制限などを廃止するとともに、幅広い医療機関で他の5類疾病(季節性インフルエンザなど)と公平性を確保した医療提供が始まっています(関連記事はこちら)。
もっとも、今夏には「九州地方、とりわけ沖縄県でコロナ感染症が再燃し、医療提供体制が逼迫している」こと、「日本全体としてコロナ再拡大が懸念されている」ことなどから、状況にマッチした「感染防止策」と「医療提供体制の確保」が重要テーマであることに変わりはありません。
こうした中で、これまでコロナ感染症患者対応を行ってこなかったが、「今後、コロナ感染症の外来患者対応を行う」医療機関が増えていくことが予想されます。その際に適切な対応が行われるよう、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第10.0版」から、外来診療に係る基礎的なデータ・知見等をピックアップし、情報提供を行ったものです(関連記事はこちら)。
例えば、外来医療機関では、コロナ感染症の鑑別診断を行い、症状に見合った治療・指導管理を行うことが求められます。
このため重症度別のマネジメントとして、軽症患者には呼吸療法(酸素療法、人工呼吸など)は行わず、また重症化リスクの高くない患者へは「モルヌピラビル」(ラゲブリオ)や「ソトロビマブ」(ゼビュディ)などの治療薬投与は行わないことを明示。一方、軽症患者であっても重症化リスクの高い患者へは、こうした治療薬を適切に投与すべきことを明示しています。
また重症化リスクの高い患者などへ薬剤を投与する場合には、(1)【ニルマトレルビル/リトナビル】(パキロビットパック)→(2)高度な腎機能障害または併用薬が禁忌であるためにパキロビットパックを使用できない場合には【レムデシビル】(ベクルリー点滴静注)→(3)通院による点滴治療が困難でベクルリー点滴静注を使用できない場合には【モルヌピラビル】(ラゲブリオカプセル)—を選択するという目安を提示。
他方、重症化リスクが低い患者は「対症療法」が中心となりますが、高熱、呼吸困難、強い倦怠感・咳・咽頭痛などがある場合には【エンシトレルビル】(ゾコーバ錠)も選択肢に入ってくることを紹介しています。逆に考えれば、こうした症状が認められない、重症化リスクのない軽症患者には「対症療法」(解熱剤投与など)を選択することが求められると言えます。
また、こうした治療法選択のベースとなる「重症化リスク」については、次のような目安を示しています。このほかにも「パルスオキシメーターでSpO2を測定し、血中酸素濃度を確認する」べきとも推奨しています。
【重症化リスクが高い要素】
▼80歳以上▼基礎疾患が複数ある▼基礎疾患などの管理が不良である▼コロナワクチンを接種していない▼呼吸困難、高熱持続、強い倦怠感などがある—
【重症化リスクの低い要素】
▼60歳未満▼基礎疾患等がない▼基礎疾患などの管理が良好である▼発症6か月以内にコロナワクチンの追加接種を行っている▼臨床症状は咽頭痛、鼻汁のみである—
このほか、▼発症から5日間、かつ症状軽快から1日以上経過するまでは「人との接触をできるだけ避ける」よう指導する▼同居家族がいる場合には「生活空間の分離」「マスク、手洗いの励行」を指導する▼急性期症状が遷延・再燃する場合には、医療機関を受診するよう指導する▼発症から3か月を経過しても、何らかの症状が2か月以上経過し、他の原因が見当たらない場合には「罹患後症状」(いわゆるコロナ後遺症)を疑う—ことなどに留意が求められます(関連記事はこちらとこちら)。
こうした「基礎知識」や「診療の手引き」を活用し、幅広い医療機関で適切なコロナ対応が行われることに期待が集まります。
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