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クラウドファンディング御寄付の御礼

 

 

私共のクラウドファンディングはこのほど7月30日に終了しました。

 

6月1日から2ヵ月間、研究プロジェクト「胆道がん、膵臓がんに対する光線力学的診断の臨床試験へ」の研究費のための御寄付を募り、多くの御支援をいただきました。お陰様で目標を超える23,275,000円の募金をいただきました。心から感謝申し上げます。

御支援下さった方々は、市民の皆様、患者さんやその御家族の皆様、同業の医療従事者や研究者、高校や佐賀大学の同窓生、長崎大学・鳥取大学第二内科の同門会員、地元に関連する企業など、様々なお立場の方々でした。

 

クラウドファンディングは初めての経験ですが、この2ヵ月の間に、御助言や激励のお言葉も数多くいただき勇気づけていただきました。担当していただいた宮崎様・鈴木様はじめご指南いただいたREADYFOR社の皆様や当科の事務局をしてくれた池淵先生、本当にお疲れ様でした。

前回ご報告したように、実父が胆道癌であったことが研究動機の1つです。

 

ただ、他界してすでに10年近くが経過しており、当方の専門も胆膵疾患ではなく胃腸疾患ですので、最大のチャレンジの動機は、武田消化器内科副科長、山下がんセンター助教、坂本消化器内科医員の3名に臨時で応召した若手医師2名のたった5名の小さな胆膵グループが、資金面で懸念することなく、この研究活動を行える環境を作りサポートすることでした。

 

緊急内視鏡や増え続ける胆膵疾患の日々の診療だけでも手一杯なのに、光線力学的診断やセクレチンの特定臨床研究にも懸命に取り組んでいるその姿勢に身びいきながら敬意をもって見守っています。

 

そして何よりも、それぞれの患者の会の代表のお言葉に記載されているように、膵臓癌、胆道癌が極めて手強い難治癌であり、その新しい治療や早期診断を望む多くの皆様の悲鳴とも言える切なる願いを強く痛感したことで、研究遂行に向けていっそうの決意を新たにしたところです。

 

皆様からいただいた貴重な研究費を大事に使わせていただき、近い将来必ずその成果を報告させていただきます。まずは取り急ぎ御礼まで。

 

令和5(2023)年7月31日

鳥取大学 医学部 統合内科医学講座 消化器・腎臓分野

 主任教授 磯本 一
教室員一同

※第一目標達成時、2000万円突破時のお礼はこちら

 

 

 

はじめに

治療が難しいとされる、いわゆる難治がんに含まれる「胆道がん」と「膵臓がん」。

がん発生の直接の原因が不明なため予防が難しく、「早期発見」が治療の鍵。

胆道がん、膵臓がんに対して新しい診断法である「光線力学的診断」の開発を進めている。

 膀胱がんではすでに保険適用となっており、難治がんである胆道がん、膵臓がんの診断でも活用できるようにすることを目指す。

 臨床試験に必要な薬剤の調達を目的とした寄付募集。

 

 

 

 

 

ご挨拶

 

はじめまして、鳥取大学医学部附属病院 消化器・腎臓内科学分野 教授の磯本 一(いそもと はじめ)と申します。

 

私は今まで消化器内科(胃、大腸、膵臓、胆道、肝臓など)を専門に多くの診療、研究を行ってきました。消化器がんを診療していく中で、どうすればがんを早期発見し、亡くなる患者さんをなくすことができるか、を日々考えてまいりました。

 

 

その中で現在、光線力学的診断という胆道がん、膵臓がんにとって新たな診断法を研究しています。

 

光線力学的診断とは、がん細胞に蓄積する特定の薬を投与し光を当てることで、がん細胞だけ見分けるという技術です。この診断法を活用し、画像診断や内視鏡でも確認できないごくごく小さな段階のがん細胞を見つける。つまり早期発見を目標とした診断法です。

 

 

難治がんは、明確な原因がわかっていないため予防などが難しく、これらの病気で亡くなる方を減らしていくためには、①早期発見、②適切な診断の2つのカギを高めていく必要があります。
 
研究を進めるにあたり、実際の患者さんへの診断の導入へ向けたさまざまな検証を重ねる必要があり、本クラウドファンディングは、そのために必要な薬剤を購入することを目標に挑戦をしております。
 
本研究は将来、胆道がん、膵臓がんに罹った方々に向けて、きっと貢献できるものと信じています。皆さまのご寄付・応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

胆道がん、膵臓がんを取り巻く課題

 

日本人の死因第一位は40年近く悪性新生物(がん)であり、今日まで増加し続けています。

 

2021年国立がん研究センターがん情報サービスによると、膵臓がんは男性で4位(19,344人)、女性で3位(19,247人)の死亡数となっています。さらに5年相対生存率は全がんのうち最も低率です。

 

また、胆道がん(胆管がんと胆嚢がん)も同データによると、男性で7位(9,615人)、女性で6位(8,557人)の死亡数となっています。さらに5年相対生存率は全がんのうち膵臓がんに次ぐ低さです。(参考:国立がん研究センター 最新がん統計

 

胆管・胆嚢における発がんの危険因子については研究が進められていますが、多くの胆管・胆嚢がんの予防対策は現在もなお困難です。膵臓がんも同様であり、可能な限り早く診断する努力が重ねられています。

 

 

 

 

 

 

これまでに多くの患者さんを担当させていただき、それぞれの患者さんの残された時間の一部を一緒に過ごしてきました。時にはお互いに喜び、つらい経験を何度もしました。患者さんの穏やかな生活を少しでも長く作りだし、守ることが、私達の重要な役割と信じています。

 

 

胆道がんと膵臓がんでは、胃がんのピロリ菌や肝臓がんの肝炎ウイルスのような、がん発生の直接の原因とされるものが何もわかっていません。そのためがんを予防する治療ができず、早期発見に努めることが重要です。

 

また、少しでもがんが疑われた際、手術で取り除くという方法は、手術が大手術になりやすく患者さんへの負担も大きくなるため容易には選ぶことができません。そのため、どのような小さなサインであっても、確実に診断に結び付け、適切な治療方針を提案することが求められています。

 

 

今回の研究内容

 

本プロジェクトでは、胆道がん、膵臓がんの検査の精度を飛躍的に向上させ、がんを小さい段階でも確実に診断する診断法の確立に向けた臨床試験の実施を目標としています。

 

膵がんに対しては超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)、胆管・胆嚢がんに対しては胆管生検・胆汁細胞診・胆道鏡下生検を用いて、がん細胞を採取します。鳥取大学では、各検査で採取されたがん細胞を、確実かつ迅速に確認できるように研究を行っています。

 

光線力学的診断を行うためには、5-ALAという薬剤を使います。

 

5-ALAはアミノ酸の一種で、生体内で代謝されると、光感受性物質であるプロトポルフィリンⅨとなります。このプロトポルフィリンⅨはがん腫瘍細胞に特異的に集積するため、光線力学的診断はがん組織を光で区別して発見する技術です。この5-ALA製剤は脳腫瘍や膀胱がんの診断において、すでに臨床応用されています。

 

 

 

 

 

また、膵液細胞診では合成セクレチンという薬剤を使います。セクレチンは消化ホルモンの一種で、日常では食べ物に反応して主に小腸粘膜より分泌されています。

 

膵臓に作用し、消化酵素を含む膵液の分泌を促進します。内視鏡検査は絶食で行いますが、この合成セクレチンを注射することで、食事をとっているときのように膵液が多く分泌されるようになります。膵液を多く回収することで、より確実に膵臓がんを診断することができるのではないかと考えています。

 

この合成セクレチンを用いた研究は2012年から当院で行っており、細胞診においてすでに良好な成績となっていますが、さらに精度を高めるために旭川医科大学と共同研究を行い、DNAやRNAなどからも診断にアプローチをします。

 

 

次は、実際の患者さんのご協力を得ながら臨床試験を行う段階にあります。(鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会により 承認済み)

 

消化管腫瘍の分野では、PDDは進行胃癌の腹膜播種病変の検出率の向上に、その有用性が明らかになりつつありますが、胆道がん、膵臓がんの分野では確立していません。

 

さらに、さらに、セクレチンは現時点では国内調達ができず、海外からの輸入により確保する必要があります。薬剤の調達に大きな資金を必要としており、本クラウドファンディングで皆様にご協力いただき、その薬剤の購入をいち早く推し進めたいと思います。

 

皆様の寄付によって薬剤の購入を進め、胆道がん、膵臓がんにおける5-ALAを用いた光線力学的診断の有効性及び安全性についての検討を行わせていただけないでしょうか?

 

ご寄付ご賛同のほど何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

胆膵 研究メンバー

 

 

 

プロジェクトへの応援メッセージ

 

本プロジェクトの実施にあたって、全国で胆道がん、膵臓がんの治療に携わっておられる多くの先生方から、応援のメッセージをいただいておりますので、ここにご紹介させていただきます。

 


 

 

特定非営利活動法人パンキャンジャパン
眞島喜幸

 

膵臓がんの5年生存率は、日本では12%、米国でも12%です。予後改善には、治療法の発展はもちろんですが、できるだけ早く発見する「早期発見」がとても重要なキーとなります。

膵臓がんの早期発見ツールの開発は、将来、膵臓がんの5年生存率が20%に到達するために必須の研究で、世界中の研究者も全力で取り組んでいます。

 

今回のファンドレイジングは、膵液分泌を促進させる「セクレチン」と光線力学的診断に必要な「5-ALA」の調達費用をコストをカバーする力強い支援となります。

「セクレチン」は国内で調達できないドラッグラグの薬剤で、2015年にパンキャンジャパンが厚労省にドラッグラグ解消の要望書を提出した際にお願いした薬剤のひとつです。しかし、いまだに使えない薬です。

 

本研究は、皆様からの寄付で、保険償還を目標とした臨床試験を加速させることが期待されます。ぜひ皆様のご協力をお願いいたします。

 

 


 

 

東北大学大学院消化器病態学分野
東北大学病院消化器内科 教授

正宗 淳

 

膵臓がん、胆道がんはいずれも予後が良くないがんです。特に膵臓がんは、米国ではさまざまながんの中でも、2030年までにがん関連死が2番目に多くなると予想されています。

 

膵臓がんや胆道がんの患者さんの予後を良くするためには、早期発見、早期治療が大切なことは言うまでもありません。

 

磯本一先生が中心となり行われている「 胆道がん、膵臓がんに対する光線力学的診断」は、現状では困難な膵臓がん、胆道がんの早期発見に風穴を開けることが期待される、非常に興味深いプロジェクトです。将来、一人でも多くの膵臓がん、胆道がんの患者さんを救うことにつながる可能性のある、本プロジェクトに対して、皆さまのご寄付を心よりお願い申し上げます。
 


 

 

旭川医科大学病院 

消化器内科、がん遺伝子診療部

教授 水上裕輔

 

膵がんは数ある癌のなかでも最も予後が不良と言われています。現状では多くの患者さんが、膵臓以外の臓器にまで病気が及んだ段階で発見され、そのことは膵がんが治りにくい病気となっている大きな要因と考えられています。

 

一方で、早期に発見し治療した場合、他の臓器のがんにも劣らない成績が得られています。

 

このため、膵がんの家族歴を始めとする発がん危険因子を有する方は超音波検診を、糖尿病や膵嚢胞をお持ちの方は経過観察をしっかり受けられることで、小さな段階で膵がんが診断される患者さんも増えています。

 

 膵がんの診断に必要な細胞や組織を使った検査は、他の臓器に比べ、身体的・精神的な負担(侵襲)が大きいことも問題です。また、早期発見をより効果的に行うためには、血液や膵液などの消化液を用いた新規マーカーの発見が望まれます。

 

その意味で、今回、鳥取大学・磯本先生の研究チームが掲げられる「 胆道がん、膵臓がんに対する光線力学的診断」は将来に向けて重要なプロジェクトと言えます。また、このような先進的な取り組みが地方の大学において実行され、世界に向けて情報発信できることにも、大きな意義があると考えます。

 

日本国内で未承認の薬品を海外から調達して研究を進めるため、しっかりとした研究の財源確保が必要です。皆様のご寄付、ご協力を心からお願い申し上げます。

 


 

 

和歌山県立医科大学

消化器内科 

教授 北野 雅之

 

がんに対する診断と治療は日進月歩に進んでおり、がんと診断されても早く診断されれば治療でよくなる可能性が高いです。しかし、膵臓がんは最も予後の悪いがん、胆道がんは二番目に予後の悪いがんとなっております。

 

特に、膵臓がんは増加の一途をたどっております。その最も大きな理由が、他のがんと比べると早期診断が難しいことです。

 

このクラウドファンディングによるご寄付を通じて本プロジェクトを実行し、膵がん・胆道がんが早期診断されることが証明されれば、手術でがんを切除できる方が増え、予後の悪い膵がん・胆道がんの患者さんに福音をもたらすことが期待されます。本プロジェクトに対して、皆さまのご寄付を心よりお願い申し上げます。

 


 

国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科

肱岡 範

 

胆道癌、膵臓癌は、この令和の時代においても、5年生存率が極めて低く難治癌の代表とされています。世界中の研究者、臨床家がこれらの予後の改善にむけて取り組んでいますが、まだまだ満足できるものではありません。

胆膵癌は組織採取が難しい部位であるため、その早期診断に難渋することも多く、治療の時期を逸してしまうことがあります。このため、胆膵癌の早期診断技術のさらなる開発が、急務と考えられております。

 

今回、磯本教授らは、光線力学的診断を用いた胆道癌、膵臓癌の早期診断技術の確立を目標とした研究を行われております。
 

光線力学的診断は、他の癌腫において臨床応用されていますが、まだ胆膵領域には未開発でした。磯本先生は光線力学の第一人者であり、この新たな方法を用いることで、胆道癌、膵臓癌の早期発見に繋がる事が期待される非常に重要な研究と考えます。今回の磯本一先生のご研究が、将来の胆道癌・膵癌の予後改善にむけて、有用な知見が生まれると期待しております。

是非とも皆様のご寄付をお願い申しあげます。

 

 


 

胆道がんの会(デイジーの会)代表

 

渡邊眞佐子

 

「ただただ立ちつくすしかない・・。」

胆道がんと診断された患者さんからのメールでした。当会のほとんど全ての患者さんのお気持ちではないかと感じます。ビーストのように狂暴なこのがんは、凄まじい破壊力で患者さんの命を脅かしています。

がんは治らない病気ではなくなった―そんな世間のスローガンが全く当てはまらない難治性がんが未だにあるのです。その代表格のひとつが胆道がんです。胆道がんの年間罹患数は24,000人(14位)と希少ですが、年間死亡数は18,400人(6位)と多く、5年生存率は20%程度で20年間ほぼ変わりません。(参照:国立がんセンター)

胆道がんは症状がほとんどないため発見が難しく、進行状態で発見される場合がほとんどです。完治が期待される唯一の治療法は外科手術ですが、進行していて手術ができない場合が多く、抗がん剤は5本の指で数えるほどしかなく有効性が確立していません。(先日、知人があるメジャーながんと診断され、慌てて調べてあげると、抗がん剤が20種類以上あり、ひとまず安心したところです。)

この1、2年で胆道がんでも分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が承認され、わずかな光明が見えてきたものの、依然として厳しい状況にあり、患者さんは一日千秋の思いで新薬を待っています。

それと同時に、早期発見により少しでも手術可能な患者を増やすことが急務です。

早期発見への道を開く突破口と期待されるのが、この光線力学的診断です。

この臨床試験では同診断法の検証を行い、画像検査と内視鏡による組織検査の補助的検査法として実用化をめざします。より迅速かつ高精度の確定診断が可能となります。

 

胆道がんは診断が難しく、確定診断に時間がかかればかかるほど手術の機を逸し、また抗がん剤治療も遅れますが、確定診断の迅速化により、治療機会や治癒の可能性が増えます。また、この検査法の併用により、内視鏡検査時の体への負担(侵襲)が軽減されることも患者にとって大きなメリットです。

そしてさらなる将来には、無症状状態での早期発見・診断(スクリーニング)にも応用されうると期待され、新たな地平が拓かれます。

医学の進歩とは気の遠くなるような地道な積み重ねだと痛感します。臨床・研究の先生方の夥しい時間と労力と情熱に感謝いたします。一方で、研究には薬剤購入などの多大な費用がかかり、資金なしには成立し難いという現実が立ちはだかります。

画像や内視鏡で見えないがんも光で検知する―この鳥取大学独自の革新的な次世代診断技術の臨床試験を是非実現していただき、胆道がん患者の予後が向上することを念願します。皆様のご寄付を心よりお願い申し上げます。

 

 

 

資金使途/プロジェクト実施内容詳細

 

資金使途

2023年9月~2025年3月の期間において、胆道がん、膵臓がんの光線力学的診断に用いる薬剤を購入し、臨床試験を行います。

・セクレチンの費用 20万×40人分 8,000,000円
・5-ALAの費用 8万×40人分 3,200,000円
・クラウドファンディング手数料、諸費用 3,800,000円

*使用する薬剤のセクレチンは海外からの輸入で調達しており、国内での安定供給は困難です。費用が高額になるため、クラウドファンディングでの調達を目指しています。

 

 

 

appendix : 研究詳細

 

今回の方法は、他のがん種では既に使われており、それを新しく胆膵がんの検査に使えないかと考えたのが今回の研究です。

 

1. 光線力学的診断

 

光線力学的診断とは、光線力学という技術を用いてがん細胞を検出する診断法のことを指します。光線力学は、光の力学的性質を利用して細胞や生体組織の情報を得る技術であり、がん細胞に対しても有効に利用されています。

 

具体的には、光線力学的診断は、がん細胞に近接した位置に光を照射し、がん細胞が発する光を検出してがんの存在を確認する方法です。

 

がん細胞は通常、周囲の正常細胞と比較して代謝が高く、細胞内に存在する特定の物質の発光が異なるため、この違いを利用してがん細胞を検出することができます。光線力学的診断は、がんの初期発見に有効であると考えられており、膀胱がんではすでに臨床の現場で使用されています。

 

また、がん細胞以外の正常細胞には影響を与えないため、検査が安全であるという特徴もあります。ただし、この診断法は胆膵がんに対しては、まだ今後の研究や開発が必要とされています。

 

2. 合成セクレチン × MRI/膵液

 

セクレチンとは消化ホルモンの一種で、日常では食べ物に反応して主に小腸粘膜より分泌されるものです。膵臓に作用し、消化酵素を含む膵液の分泌を促進する効果があります。この効果を活用した「合成セクレチン製剤」がありますが、本邦では未承認の薬です。(アメリカやドイツで承認)

 

これまでは、セクレチンを注射後、MRI検査において膵管が際立つことから、画像検査に主に使われてきました。

 

セクレチン注射後に膵管の目立つMRCP(Temel Tirkes RadioGraphicsVol. 33, No. 7
https://doi.org/10.1148/rg.337125014)

 

また、内視鏡検査(膵液の採取)によって画像検査では発見が難しい200μmほどの大きさの膵がんの発見にも活用されてきました。

 

 

 

3. 5-ALAを用いた膵がん診断

 

 

5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、それ自体は光感受性物質ではありませんが、細胞内で光感受性物質であるプロトポルフィリンIX(PpIX)に代謝され、PpIXは腫瘍細胞内に蓄積する性質を持ち、405 nm前後の青色光を腫瘍に照射することで635 nm前後の赤色蛍光を発します。

 

 

 

 

5-ALAは、動植物の生体内に含まれる天然アミノ酸の一種で、ヒト成人において1日当たり600~700 mg程度、生合成される生体内在性物質であり、ヘムの前駆体です。すでに、応用範囲は植物の生長促進作用、化粧品・健康食品分野など多岐に渡っています。

 

 

 

すでに5-ALAを用いたPDDは悪性神経膠腫の診断用として保険収載されており、5-ALA内服薬も薬事承認されています。

 

脳腫瘍以外でも、泌尿器科領域でPDDは膀胱上皮内癌などの平坦病変をターゲットとした新しい診断法として発展し、「経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化」で薬事承認されています。

 

 

4. 今後のステップ

 

今回の研究はこの二つの薬を組み合わせ、これまでになかった新しい手法として、検査に診断薬を用いることで改善を目指せると考えています。

 

光線力学的診断の有効性及び安全性についての検討を行い、有用性と安全性が示せれば、確実に診断に結び付け、適切な治療方針を提案することが期待できます。

 

 

 

寄付者の皆様へ

 

これまでに多くの胆膵がん患者さんを担当させていただき、それぞれの患者さんの残されたお時間の一部を一緒に過ごしてきました。時にはお互いに喜び、つらい経験を何度もしました。患者さんの穏やかな生活を少しでも長く作りだし、守ることが、私達の重要な役割と信じています。

 

難治がんは、早期発見と適切な診断が本当に患者さんの未来を大きく変えます。研究をより早く進め、1日でも早くそれらに貢献できるよう努めてまいりますので、皆さまのご寄付・応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

税制上の優遇措置のご案内

 

鳥取大学へのご寄付については、確定申告を行うことにより税制上の優遇措置が受けられます。

 

なお、寄付金領収書はREADYFOR株式会社を通じて寄付金が鳥取大学に入金された日付で発行いたします。鳥取大学への入金は募集終了の翌々月になりますので、税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。

 

(例)募集期間が2022年7月までのプロジェクトの場合:寄付金領収書は、2022年9月の日付での発行となります。

 

【寄付者が個人の場合】

①所得税の控除 

寄付金額から2千円を差し引いた額が所得税法上の寄付金控除の対象となり、当該年の所得から控除されます。

※寄付金の額が総所得金額等の40%を超える場合は、40%を限度とされます。

②個人住民税の控除 

お住いの都道府県・市区町村が条例で本学を寄付金税額控除の対象として指定している場合は、総所得金額等の30%を上限とする寄付金額について、寄付された年の翌年の個人住民税から控除を受けることができます。 

都道府県から指定されている場合【寄付金額-2,000円】×4%

市区町村から指定されている場合【寄付金額-2,000円】×6% 

※詳しくはお住いの都道府県及び市区町村へお問い合わせください。 

 

【寄付者が法人の場合】 寄付金の全額が法人税法上の損金に算入されます。

 

 

 

ご寄付の前にお読みください。
-留意事項-

 

・本クラウドファンディングによりいただくご寄付で進む研究については、鳥取大学 臨床研究審査委員会の承認を受けております。

 

・本研究において、必ずしも想定した結果が得られるとは限りません。

 

・本プロジェクトへのご寄付は、臨床研究参加などへの優遇を行うものではございません。本クラウドファンディングと研究への参加は関係ありませんので、予めご了承ください。

 

・寄付金領収書のお名前は、ギフトお届け先にご登録いただいたお名前となります。ご寄付後にアカウント情報を変更した場合でも、ご寄付時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご寄付時に入力いただいた宛名と住所に寄付金領収書をお送りさせていただきます)のでご注意ください。

 

・ 本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「寄付契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

 

・日本国外からのご寄付につきましては、寄付金控除の対象外です。寄付金領収書は発行はできませんのでご注意ください

 

 

目標金額達成の御礼

 

本クラウドファンディングは、300名を超える多くの方々からのご寄付により、目標金額の1,500万円を無事に達成することができました。心よりお礼申し上げます。

 

この期間、本当に多くの方々からご寄付いただきました。本プロジェクトを見て応援していただいた方々、友人や同僚、そして医療・企業関係者の皆様など、寄付の輪が広がり、多くのご寄付をいただくことができたこと、誠にありがとうございます。

 

また、身内が病気になられた方々のご家族やご親族からも、多くのご寄付や応援メッセージをいただき、心から感謝しております。

 

さまざまな資金調達を進める中で、国内の資金獲得が順調でない状況下において、皆様からの応援とご寄付は、研究を大きく後押しするものとなりました。

 

このクラウドファンディングでのご寄付は、胆道がん・膵臓がん研究に希望の光をもたらします。私たちは皆さんから受け取ったバトンを成果に繋げる責任を強く感じております。

 

募集期間は今月末まで残っていますが、目標金額を超えるご寄付も引き続き本研究のための費用として大切に活用させていただきます。

 

クラウドファンディングの最終日まで、引き続き見守っていただけますと幸いです。

 

2023年7月10日 追記
鳥取大学医学部附属病院 消化器内科
教授 磯本 一

 

 

クラウドファンディングの寄付総額が、2,000万円に到達しました!

 

本クラウドファンディングへの寄付総額は、350名を超える大変多くの方々からご寄付頂き、2,000万円に到達いたしました。それと同時に、日々多くのご寄付とご声援をいただいております。改めて皆さまに心よりお礼申し上げます。
 
目標金額を超えるご寄付も、引き続き本研究のための費用として大切に活用させていただきます。そしてこの研究の先で一人でも多くの患者さんに還元できるように努めてまいります。
 
クラウドファンディングの最終日まで、引き続き見守っていただけますと幸いです。

2023年7月24日 追記
鳥取大学医学部附属病院 消化器内科
教授 磯本 一

 

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