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◆治療法進歩に期待 家族亡くし「怖い」

 日本人の2人に1人が生涯に一度はかかるとされる「がん」。身近な病気の実態を正しく理解する大切さを呼びかけた6日の記事には、小中学生の皆さんから、たくさんの意見が寄せられました。一部を紹介します。

 ここ10年で治療法が飛躍的に進歩してきたことで、がんを克服して社会生活を送る人が増えていることについては、喜びと期待の声が相次いだ。愛知県の中学2年生の男子(14)は、「本当に数十万人も亡くなっているの」と疑問に思い、自ら情報収集。負担が少ない手術や放射線治療も実用化されていることを知って驚いたといい、「このまま死亡率の低い病気になってほしい」とつづった。

 同県豊田市の藤岡南中1年の宮崎結衣さん(13)には、白血病を患った友人がいるそう。遊ぶことが大好きな子なのに、激しい運動ができずにいる姿を近くで見てきたといい、「寂しく苦しい思いをする子が減るよう、早く完治する治療ができてほしい」と願った。

 一方、家族や友人ががんと診断されたという人からは「怖い病気」との声も数多くあった。同県の中学1年の女子(12)は4月に祖母をがんで亡くしたそう。「もっとしゃべりたかった」と悲しみ、現状では「治らないとのイメージはみんなにあるのでは」と指摘する。

 岐阜県神戸町の下宮小5年の宇野翼さん(10)も「亡くなった家族がいるので、がんは怖い」と率直な思いを明かす。家族はみんな毎年、検診を受けており、早期発見で助かった人もいるという。がんを身近に感じるからこそ、患者の力になるため、医療用かつらの材料として自身の髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」にも協力。「支える方法が他にもないか考えたい」と決意を記した。

 患者らを支える気持ちの大切さを訴える投稿も目立った。豊田市の美里中2年の寺田夏輝さん(14)は小学生のころに、髪の毛が抜け、ニット帽をかぶり通学していた下級生がいたそう。がん治療の結果かは定かではなく、周囲とも仲良くしている様子だったというが、以来、ニュースで容姿によるいじめ問題などを耳にすると心が痛む。「がんで容姿が変わっても、みんなと同じ生活ができる社会がいい」と呼びかける。

◆つらい病気の人に寄り添って

 「祖母を亡くした」「家族が闘病中」。そんな投稿を数多くいただき、本当に身近な病気だと改めて感じました。「もっと話したかった」「支えてあげたい」。私も子どもの頃、祖父を胃がんで亡くしました。みなさんの温かい言葉に、目頭が熱くなりました。

 国の統計では、国内で年間約100万人が新たにがんになり、2021年は38万人が命を落としています。その一人一人に家族や友人がいて、支え合う時間や悲しい別れがあったはずです。

 病気への正しい知識も大事ですが、命の大切さを見つめ、つらい病気のある人に寄り添う心を持っていたいです。 (植木創太)

 6日の紙面は、下記URLから、「くらしの中から考える」の「今月のテーマ」でご覧になれます。



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